引き続き、相談場面の設定に関連して
直近でまとめた面談プロセスは、全体として、相談場面の設定を目的としている。
インテークでやることは、守秘義務や自己決定など相談に関わるルールや範囲などの説明と共に、信頼関係の構築と主訴と問題の把握だが、私がまとめた内容にはルールや範囲は前提として記載していない。
相談場面の設定はキャリアコンサルティングを行う上でとても大事だと思うのは、インテーク面談はクライエントとコンサルタントが初めて出会う場面であり、ここでつまづいてしまうと後がない。キャリアコンサルティングの流れへ続いていかないからだ。その失敗は、自分のところに次回来ない、というだけでなく、結局、誰に相談しても自分の悩みは解決しないとクライエントが思いを決めてしまうという、想像すると非常に重大な事態を引き起こしかねないところにまで影響が及んでしまう。
そういう意味では、このコンサルタントは話しやすいなあとクライエントに感じてもらえることは最初の面接では重要なのかもしれない。ただ、話やすいし、よく聴いてくれるんだけど、ウンウンとかいってるだけで、悩みが解消されるようには思えないとクライエントに感じられては元も子もない。
また、あとで、余計なことまで喋ってしまったと後悔させるような聴き方もまずい。
コンサルタントの立場から言えば、クライエントの問題を解決するには、クライエントにとって何が問題なのかをきちんと理解したい。そのためにはクライエントにしっかりと話してもらう必要がある。
インテークの間にも、ひとつひとつの積み重ねが大事なんだなと思う。
クライエントに話したいと感じてもらうこと。そこで、つまづくと、その先はない。
コンサルタントだから話す、話してもらえるというのは面接の前提ではない。クライエントは役割で話すのではないからだ。クライエントには話す自由も、話さないという自由もある。話したいから話す。そういう雰囲気をつくることを先ずは目指したい。