キャリアコンサルタント学習ノート

キャリアコンサルタントの学習記録

2016-01-01から1年間の記事一覧

組織と個人の相互作用について

キャリアにはアップもダウンもない、と言われる。要は、キャリアは生き方の問題であって、外部的には環境適応ができているか、できるかという評価はあり得ても、その生き方がいいかどうかは、本人以外には判断できない、ということなのだろう。同じように、…

心理アセスメント

大学のスクーリングで、心理アセスメントの授業を受けました。発達検査、性格テスト、バウムテスト、ロールシャッハテストなど、全部で20くらいのテストの紹介とその代表的な心理テストの演習です。 キャリアコンサルタント講習でもアセスメントはやるんです…

「意欲歓喜」を目指して

前回、紹介の松尾氏の本に出てくる、「意欲歓喜」。この言葉は素晴らしい。素敵な言葉であり、概念だと思う。この言葉には、カウンセリングのプロセスが凝縮されている。・カウンセリングはひとの意欲にかかわる・カウンセラーはクライアントの意欲を喚起し…

松尾氏の「キャリアカウンセリングとメンタル」を読む

実務家が自分の実務を通して得たものを、分かりやすく表現することはなかなか難しい。仲間内ならいざ知らず、顔を合わせたこともない人間に向けて、自分の仕事を表現するということには相当に想像力を絞らないといけない。自分とは異なる考え、生きざまをし…

ナラティブ、社会構成主義の入門書で

はじめてのナラティブ/社会構成主義キャリア・カウンセリング―未来志向の新しいカウンセリング論作者: 渡部昌平出版社/メーカー: 川島書店発売日: 2016/08メディア: 単行本この商品を含むブログを見るキャリアカウンセリングは未来志向なんだなあ。社会構成…

アドラーとポジティブ心理学

http://kogo.hatenablog.com/entry/2016/11/22/111240早稲田大学の向後先生が、アドラー心理学と主観的幸福感の関連についてアップされています。健康心理学会で、たぶん、ポスター発表されたんじゃないかと思います。主観的幸福感は、ポジティブ心理学の重…

現代心理学の根茎=個人心理学

アドラー心理学の裾野の広さについては、多くの識者が指摘している。パールズ、ベック、エリス、マズロー、ロジャーズなど、著名なサイコセラピーの創始者への影響も、広く共有された認識なのだとうかがえる。特にナラティブセラピーがパックボーンとする社…

中年の危機の襲来に備えて

カール・グスタフ・ユングが人生の正午と呼び、その頃にはひとはそれまでの人生を顧みて、来し方の意味を問いたい衝動に襲われるのだと言われています。人生の正午とは、現在ではちょうど40歳を指すようですが、このミッドライフクライシスは、ある研究者に…

キャリアコンサルタントの自己研鑽

どんな資格でも、資格取得はゴールではない。弁護士であろうが、医師免許だろうが、ボイラー技士だろうが、資格をもっていることはその専門職で働くスタートラインに立つということに変わりはない。その専門職で働き続けるためには、絶えずキャッチアップし…

アドラー心理学の意味

アドラーの著作を渉猟しつつ、岸見さんの著作を参照したりもしながら、共感し、温かみも感じ、戸惑いと暗澹たる気分に落ち込むこともある。確かに、アドラーは現代心理学の源流のひとつなのかもしれない。「共同採掘場」とよばれる、アドラー心理学は、今の…

アドラーの「課題の分離」

結構、大事なことだなと思うが、難しさも感じる。特に、いっしょに仕事をしていく場面で、これはあなたの仕事、これは私の仕事だと割り切りにくい場合。求める結果は同じでも、そこから得られる成果はそこにかかわる人や組織によって違うことが多い。アドラ…

ナラティブ キャリアカウンセリングを読む

ナラティブ・キャリアカウンセリング――「語り」が未来を創る作者: ラリーコクラン,宮城まり子,松野義夫出版社/メーカー: 生産性出版発売日: 2016/10/31メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る予約していた本が今日、届いたのでさっそく…

来年度の試験日程告知

https://www.jcda-careerex.org/information/schedule.html学科5月28日、実技6月3日、4日。

アドラー心理学を実践する

自分と他人は違う。そこから、自他尊重を実感する。一方で、自他の違いに悩む人も当然いる。アドラーが対人関係の悩みを強調するのは、自他の違いが厳然とした事実だからだろう。カウンセラーにとってみれば、そのように考えないとやっていけないという、極…

聴く、看る、わかる

「きく」は、「聞く」「訊く」「聴く」の字が当てられる。「みる」も、「見る」「観る」「看る」。カウンセラーは、「聴く」。そして、「看る」。聴くと看る。ここに共通するのは積極的態度。クライアントに対する共感的理解のために、カウンセラーは聴く、…

ジョハリの窓からカウンセリング関係を考える

「〇〇さんはご出身はどちらですか?」とクライアントがキャリアコンサルタントに質問した場合、どのような応答が考えられるだろうか?要は、よって立つカウンセリングの理論によって具体的な応答の仕方や中身は異なるのだろうと考えるからだが、ときに、「…

河合隼雄の「無意識の構造」

無意識の構造 (中公新書 (481))作者: 河合隼雄出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 1977/09/22メディア: 新書購入: 4人 クリック: 41回この商品を含むブログ (40件) を見る 「ユング心理学入門」を読んだのはいつだったか忘れたが、「無意識の構造」と同様…

「セラピスト」を読む

セラピスト (新潮文庫 さ 53-7)作者: 最相葉月出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2016/09/28メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見るロジャーズは、カウンセリングと心理療法を区別しないという立場をとった。最相さんのこの本を読んでいて、カウンセ…

認知行動療法の学習

認知行動療法は、はからずも、伊藤絵美のいうとおり、トレーニングなんだな。なので、クライアントに技法を身につけてもらうことが眼目にあって、セラピストの役割は、クライアントに適した技法を選択して、提案して、身につけてもらえるようにトレーニング…

基礎編の学習状況

今日、DVDの最後の回を見終わりました。最後は、テストがあったようで、時間はかなり短い。応用編のスケジュールが、以前もらったものと直近の案内で違ったので、確認の連絡を入れ、再度、確定スケジュールを送ってもらいました。応用編が始まるまで間があり…

認知行動療法の実際

「伊藤絵美の認知行動療法入門講義」(公益財団法人矯正協会)の上巻を読みました。上巻は、認知行動療法とは何か、認知行動療法をどのように進めるかが解説されています。伊藤さんの本は、平易な言葉で、実践的な場面を念頭に、語りかけるように書かれてい…

ライフタスクと3つの問題

仕事、交友、愛というライフタスクは、ひとに突きつけられた3つの問題に対しての対処だ。ひとは性をもつ。それは男性、女性いずれかの性であり、それは生物としての人間という宿命である。この問題に対しての愛というタスクを持つ。また、ひとはひとりでは…

サイコセラピーの効果

精神分析によって切り開かれた心理療法は、精神分析に対抗する行動療法が登場して以降、しばらくこの二大潮流により行われてきたが、第二次大戦後、百家争鳴と言われるほどに、数々の心理療法が誕生してきたといわれる。60年代に入り、心理療法の治療効果に…

アドラー心理学の理論

個人の主体性は、責任と一体だ。なので主体性は自立とも言い換えられる。また、自立には自律が伴う。自律、つまりセルフコントロールができてこそ、自立していることになる。「すべては私が決める」とは、そういうことだ。それを前提に、目的論、全体論、社…

アドラーの共同体感覚

自分が自分でいることと社会の一員であることはどのように両立できるのか?あるいは、バランスが取れるのか?アドラーの考えには自他の違いという根本的な前提がある。私は、自分とは個々に異なるライフスタイルを持つ人びとと共に生きている。平木典子は自…

アドラーのライフタスク

アドラーは、ひとの悩みは対人関係によってもたらされることを指摘している。一方、それは裏を返せば、ひとの幸福は対人関係によってもたらされることも示す。アドラーのいうライフタスクは、いずれも、対人関係によるものだ。仕事、交友、愛という3つのラ…

アドラーのライフスタイル

向後先生の本には、ライフスタイル診断のシートがついていて、自分のライフスタイルが確認できるようになっています。以前、やったときは「安楽でいたい」。今やったら、「優秀でありたい」に変わった。受動的から能動的に変化した。四つのライフスタイルに…

アドラーの劣等感

アドラー心理学で、やや混乱を招く言葉に「劣等感」と「劣等コンプレックス」がある。両者の違いは、行動に結びつくのか否か。私は劣等感を感じる。だから努力する。このようなとき、劣等感は行動の原動力となる。私には劣等コンプレックスがある。だからや…

アドラー心理学の全体像

アドラー心理学は、「個人心理学」とも呼ばれている。ただし、この「個人」は元の言葉に戻らないと意味がつたわらないため、よくコメントがつけられる。個人とは、individual、分割できない統一体という意味だと強調される。図の引用は、「コーチングの背景…

あらためてカウンセリングって?

昨年大学のスクーリングでカウンセリングの授業に出たことがきっかけとなり、キャリアコンサルタントの養成講座を受講することを決めて、キャリアやカウンセリングについて学びながら、個人的にいつも頭の中にあったのは、つかこうへいのこと。「熱海殺人事…