キャリアコンサルタント学習ノート

キャリアコンサルタントの学習記録

ライフラインチャートの描き方

ライフラインチャートは描くの難しくないですか

 

キャリアコンサルティングの自己理解のプロセスに、ライフラインチャートというツールがあります。養成講座でもこの演習はありました。これを描こうとすると、どうも迷ってしまいなかなか自分では描けません。

ライフラインチャートは、自分の人生をの上り下りを一本の線で表現するものです。その上り下りが描けない。たとえば、私には無職の時期があります。仕事にも就かず、パソコンでホームページを作ったり、まだ1歳ほどだった子どもの相手をしたり、たまにハローワークに行って紹介を受けても面接で落ちたり、確かに停滞していた時期ではありました。チャートにすると図の下の方に水平に線を引くことになります。ただ、ほんとうに停滞していたと納得できないところがあります。この時期ほど、子どもとの親密な時期はなかったし、HTML始めWEBの知識を身につけたのもこの時期でした。確かにWEBの知識はもはや陳腐化してしまいました。

その後、紹介予定派遣をきっかけに現在勤めている会社に入り、あれやこれや16年目を迎えます。ベンチャーなので、創業期から成長期、成熟期といったステージを経験してきました。成長期には福利厚生制度のコンサルタントとして働き、成熟期に入った頃から経営者の身近て働くことができたのは、今振り返ってみても充実した時期ではあったと思います。ただ、終電で帰るのは当たり前、休日出勤も厭わず仕事をしていました。そういうのが普通でした。

数年前から、会社もホワイト企業を掲げて、残業削減や両立支援など取り組んできています。かつてを思えば、隔世の感がしますが、たかが5年ほどのことです。一方、確かに午後10時を過ぎて職場に人の姿はほとんど見当たらなくはなりましたが、営業はノートパソコンを持たされて、家か喫茶店かでメールのチェックや報告書、資料を作成しています。ホワイト企業を謳っていても実態はそんなものです。それが良いか悪いかはほんとうはなかなか判断が難しいと思います。

この16年のキャリアの上り下りはどう表現すればいいのか、ライフラインチャートにどう描けばいいのか、マジで悩みます。

 

それでもライフラインチャートを描くのは?

 

キャリアコンサルタントなのにと思われるかもしれませんが、私はライフラインチャートを描くのはムダだと考えているわけではないのです。むしろ、逆に、真剣に取り組めば非常に役に立つツールだと思っています。つまり、このツールによって、これまでの経験をいろんな角度から見直すきっかけになるからです。いってみれば、チャートを完成させること自体はどうでもよく、むしろ描くプロセスが大事だからです。

職務経歴書に書かれるような、所属部署や実績など事柄の羅列ではなく、上り下りという評価を加えることで、誰と、どんな仕事を、どんなふうにしてきたのか、また、その頃の家族との関係はどんなだったか、他にもいろいろと思い出したり、感情が沸き上がったり、チャートを描こうとすると、さまざまなことが浮かんできます。楽しかった、辛かったといった気持ちといっしょになって、鮮やかによみがえってくることもあるでしょう。

なかには思い出したくなかったといったこともあるかもしれません。また、今の苦しさから開放してくれるような、ワクワクと仕事に取り組んでいたことが思い起こされ、明日への一歩につながるかもしれません。とはいえ、良いことも悪いこともその反面があるかもしれません。あのときは辛かったけどいい経験をしたとか、ひどい仕事をさせられたが、それが次の改善提案につながったとか。

 

ライフラインチャートを描き直す

 

ライフラインチャートを描こうとするとき、ラフにどんな職場で、どんな仕事をやってきたかを先ずは箇条書きでリストアップしていきます。そしてリストアップした項目を眺めながら、どんなひとが周りにいたのだろうか思い出しつつ、楽しかったこと、辛かったこと、悲しかったこと、嬉しかったことなど感情を手がかりにしていくと、いろいろ浮かび上がってくるようです。

ライフラインチャートはグループワークで使ったりもしますが、他の人が描いたチャートも刺激になって、自分では気づかなかった角度から振り返ることもできたりします。

正味、ライフラインチャートをきちんと描こうとすると時間はかかります。ただし、時間はかかっても、それが自分を再発見することができれば、さらに、ありのままの自分を受け入れられることができればそっちのほうが大事なんだろうと思います。そして自分を受け入れたあとが大事です。

ライフラインチャートは過去の経験だけを考えるものではありません。線は続いていくのです。どこに向けて線を描くのか。未体験のところに足を踏み入れらか。現状をしばらくは維持していくのか。制約に縛られず、柔らかい頭で、考えていきましょう。