逐語録を読む
- 作者: 佐治守夫,岡村達也,保坂亨
- 出版社/メーカー: 東京大学出版会
- 発売日: 2007/05/24
- メディア: 単行本
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論述、面接の学習に逐語録の読み込みは必須だと思っています。
応用実習でも逐語録は作成しましたが、なんか、感覚的にも理屈的にもよくわからなかったんですが、最近、なんとなくですが、感覚がつかめてきたような気がします。
キャリアコンサルタントの方のロープレ音声を入手できたので、それを逐語に落とすこともやったりしています。
それと、大学での教科書にあった逐語録を読み返してみたのですが、感覚的に、これが、共感的理解であり、自己一致であり、受容ではないかと感じたので、ここでも書いておきます。
「カウンセリングを学ぶ」、この本、クライエント中心療法を中心に書かれているもので、もちろん、クライエント中心療法の理論も詳細に解説されているのですが、カウンセリングをどう学んでいくのかについても、非常に詳しく書かれています。
キャリアカウンセリングの本ではなく、どっちかというと、臨床心理の方だと思いますが、ホンモノのクライエント中心療法が何かということはこの本を読むとよくわかります。
折衷・統合派やマイクロカウンセリング、キャリアカウンセリングをクライエント中心療法だというひともいたりしますが、それは違います。これらはクライエント中心療法ではありません。
それは、この本を読むとよくわかるのですが、クライエント中心療法はロジャーズの必要十分条件だけでいいんです。マイクロカウンセリングの積極技法も、システマティックアプローチも必要ありません。
今後、混乱しないためにも、キャリアコンサルタントを目指すものとしては、自分がやっている、やろうとしているのはクライエント中心療法ではないことは自覚しておく必要はあるんでしょうね。
模擬試験を受けました
昨日、通っているスクールの模擬試験があり、受験してきました。
午前、学科、午後、論述、で、面接の模擬試験はありませんでした。
解答用紙は回収され、後日、採点して返却されます。試験終了後、解答が配布されるので、自己採点したところ、学科は88パーセント、論述は60パーセント取れてるかどうか、というところでしょうか?
論述は、対策講座も受けましたが、いまいち採点基準がわかりにくく、何をどう書けば得点できるのかが見えないんですね。
学科は過去問を解いているので、どうにかなるかなぁとは思ってますが、論述も自己採点で60パーセントと思っていても、上下はあるかなと考えています。
ただ、昨日、試験後の解説を聞いて、少しヒントはいただきました。
面談の流れに沿っているかどうか。そこが判断の分かれ目のような気がしています。
面談するにあたりキーワードである、受容、共感、一致、自己探索、自己理解、自己概念、伝え返し、開かれた質問、要約などの技法。このあたりが逐語を通して判断できているかどうか。
ただし、それが判断できるだけでなく、客観性を持った文章で、根拠を示しながら、解答できるかどうか。
どうやら、そのあたりを50分という時間で処理できる必要があるように思います。
論述は最低40パーセント取らないと、いくら面接が高い得点でも、足切りされます。40パーセントだと面接は70パーセント取る必要があり、相当キツくなります。
あるサイトでは、論述は8割目指そう、みたいなことが書かれていて、ちょっと、びっくりしたんですが、確かに8割取れれば、面接は50パーセントでも合格ラインには到達するので、気持ち的には楽ですよね。
これから2週間で、どこまで論述の得点力をあげられるかが課題です。
面談全体をアタマに入れて
面談は冒頭2分間で決まる⁉️
- 作者: 植木理恵
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2010/02/26
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問いかけと質問
- 作者: エドガー・H・シャイン,金井壽宏,原賀真紀子
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2014/11/26
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質問には、開かれた質問、閉じられた質問の2つがあります。
前者は「今日、どんな食事を取られたんですか?」というように、自由に答えられる形の質問、後者は「今日、食事は取られましたか」と、答えがはい、または、いいえの選択になっている質問。
どちらかというと、開かれた質問を使うことをキャリアコンサルタントの講座では推奨されることが多いと思います。それは、クライエントの自由な語りを促すためと理解していますが、これ、なかなか、言うは簡単なんだけど、わかってるんだけど、実際難しい、できない。
質問には、他に、直接的な質問、間接的な質問という分け方もあって、こちらは、「なぜあなたはそうしたんですか」と「そうするひとを見たらあなたはどう感じますか」の違いがあります。間接的な質問の場合、クライエントの行動や認知を客観的に考えてもらう効果があるようです。
開かれた質問、閉じられた質問、直接的な質問、間接的な質問。どれを使うにしても、そこに意図はあるのかが大事です。ただ、その意図がクライエントを理解したい、理解しないといけないという意図が強すぎると、質問が多くなってしまう気がします。すると、カウンセラーの一方的な理解したよということになりやすく、その理解がほんとうにクライエントが話したかったことなのかがわからない、ということになりかねません。
自分を振り返って見ても、応用実習のロープレでは、質問が多かったです。さらに、そのときには質問が多いと指摘されても、なんかびんとこなかったですね。だって、質問しないとわからないじゃないですか。
そう考えているところに、ヒントになったのはマイクロカウンセリングの教科書です。そこで、アイビィは質問を「会話への誘い」と書いています。
質問というとQ&Aを、つい、イメージしてしまうんですが、「会話への誘い」というのは、そのイメージとは違います。むしろ、「話してもらえますか」、「一緒に話しませんか」という形で、クライエントが話すきっかけになっているんですね。
そうだとすると、質問という言葉がよくないんではないかとおもうんですが、シャインの「問いかける技術」を見て、「問いかけ」という言葉に出会い、自分として腹落ちできました。
シャインは問いかけを4つに分けていて、純粋な問いかけ、診断的な問いかけ、対決的な問いかけ、プロセス志向型問いかけがあります。それぞれの詳しい内容は省きますが、アイビィの「会話への誘い」に絡んで注目したいのは「純粋な問いかけ」。これは、クライエントの話に集中する問いかけで、クライエントへの興味や関心から出てくる問いかけとされています。そこで必要なのは、「今ここでの謙虚さ」。シャインは相互依存という言葉で説明していますが、クライエントが話してもらわないことにはコンサルタントやカウンセラーは仕事にならない、その意味で、コンサルタントやカウンセラーはクライエントに依存している。クライエントが相談したいとコンサルタントやカウンセラーに依存しているのはそうなんだけども、クライエントに依存していることをコンサルタントもカウンセラーも弁えておかないといけない。そうすると、クライエントに謙虚にならざるを得ない。
純粋な、謙虚な問いかけが目指すのは、クライエントととの良好な人間関係をつくることだとシャインは言っています。そして、その良好な人間関係の上に、良質なコミュニケーションが活動するんだと。