カウンセリングのプロセスにおける3つの意味
ロジャーズの受容と共感、一致の難しさは、とどのつまり、他者との違いをどう考え、どういう態度をとるのかに由来する、ように思われる。
平木典子はアサーションについて、『自他尊重の自己表現』と説明しているが、カウンセリングにもあてはまるものだと考えられる。
相手との違いを認めること、それは受容だけでなく、共感や自己一致の前提ではないか?と思いついたとき、すっきりと腑に落ちた。
同じ経験、同じ考えを見つけ合うこと、それは受容でも共感でもない。
自分とは異なる考え、感情、行動を相手から感じとり、少なくとも否定しないこと。
それは逆に、自己の考え、感情、行動も他者と違ってよいと認識することでもある。
ホワイトボードのメモは、違いの尊重に限らない。平木の言わんとしていることは非常に広く奥深い。
3つの意味は、クライエントにとっての意味だけではなく、カウンセラーにとっての意味でもある。
カウンセラーは自分とつきあえる程度に、クライエントととも向き合うことができる。