キャリコン受験に役立つアドラー心理学
前回、ご紹介した向後先生の本は、アドラー心理学の全体像をワークを通しながら学ぶことができるようになっています。共同体感覚や劣等感などの概念も、体感しながら学べるという点が、特に、アドラー初めてという方におススメしたい理由です。
キャリコン受験を目指されている方にとって、アドラーに触れておくことは非常に役立つはず。そう考えています。
なんで?
キャリコンの教科書に出てくるカウンセリング理論やキャリア理論。種々の理論を整理してインプットしていくために非常に役立つ、そう思うからです。
アドラーじたいはキャリアコンサルタントの教科書では、あまり取り上げられていません。「新時代のキャリア・コンサルティング」で、渡辺昌平さんが解説されているくらいでしょうか。また、本試験でも過去の出題数はそう多くはありません。毎回、数問出題されるスーパーやシャインと比較すると、直接的な試験対策でのウェイトは低いとは思います。
確かに試験合格には、過去問の出題傾向を踏まえ出そうな理論を覚えるのも対策として必要だとは思います。その点からいうと、アドラー心理学を知っていても1問取るか取らないかの話になります。ただし、第四回以降、難化傾向にある学科試験では、四肢選択形式とはいえ、単に覚えていただけでは解けなくなってきているのは事実。
それだけにカウンセリング、キャリアの分野も体系的に整理しインプットしておく必要があるはずです。
体系的なインプットを考えたときに、どういう整理手法を取るか?
歴史の流れに沿って整理するのも一つの手。
たとえば、「キャリアの心理学」のキャリア発達鳥瞰図を使って整理していく。
それとは別に、ポイントで俯瞰していくという手もあります。そこで、アドラー心理学を使っていく。目的論、仮想論、全体論、社会統合論、個人の主体性。アドラー心理学のこれらの理論を軸において、フロイトからエリスやベック、スーパーからサビカスまで並べていきます。そうすると、キャリコンの理論全体が俯瞰して見ることができるようになります。フロイトは原因論で、アドラーとは逆なんだ、とか、スーパーの自己概念は個人の主体性から見てどうなんだろう、とか、認知療法と仮想論はいっしょかなあとか、考えていく作業をしているうちにしっかりと記憶に残ります。
記憶に残るだけではなく、考えないと解答できない問題にも解けるようになります。
試験対策のためのアドラー心理学を考えて見ましたが、アドラー心理学はもちろん、それだけにとどまりません。実際、キャリアコンサルティングに応用されている方もいらっしゃいますし。
(今回、紹介した本)
新時代のキャリアコンサルティング―キャリア理論・カウンセリング理論の現在と未来
- 作者: 労働政策研究研修機構,労働政策研究・研修機構=
- 出版社/メーカー: 労働政策研究研修機構
- 発売日: 2016/08/31
- メディア: 単行本
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