キャリアコンサルタント学習ノート

キャリアコンサルタントの学習記録

キャリアコンサルタントのためのアドラー心理学

アドラーと経験代謝について、記事を書いていました。

http://amq87-coaching.hatenadiary.jp/entry/2017/03/25/経験代謝アドラー心理学


最近もJCDAのキャリアカウンセリングとは何かというレポートを読んでいて、これはアドラーの劣等感に重なるなと感じました。


向後先生によれば、アドラー心理学での劣等感は、「明日の自分」に対し「今日の自分」にマイナスを感じるところから生じます。

「明日の自分」を「ありたい自己」と置き換えれば、より経験代謝のプロセスが肚落ちしてきます。

経験の再現から意味の出現へと進み、そこから意味の実現へと向かう、それはなぜか?

それはもともと、自己概念には成長傾向があるからだ、あるいはロジャーズを援用し、実現傾向があるのだと考えるのもありだとは思いますが、では、その傾向を促す手がかりをキャリアコンサルタントとしては探りたい。


「ありたい自己」を自覚したからといって、果たして自覚だけで、ひとは行動するものなのでしょうか?

ほんとうはこうありたいと思っていても、なにかと理由づけしてしまうことも多いのではないでしょうか?

たとえば、もっとバリバリ稼ぎたいと思っている営業マンを考えると、稼ぐためには訪問先を増やす必要がある。ただ、なかなかアポを取るための電話をかける気にならない。そこで、かけない理由をあれやこれや並べてみる。資料づくりで時間が取れない、とか、提案できる商品がない、とか。でも、電話をしてガチャ切りされるのが怖い、それが本音で、それを言いたくないから理由を探していることもあります。これは、自分で自分に嘘をついている、自己欺瞞ですね。


経験代謝での「ありたい自己」は、自己欺瞞ではごまかせないものだとは思うのですが、そうであれば、なおのこと、行動に現れるためには相当な働きかけが必要ではないかと思えてきます。


経験代謝は心がけに重きを置いていて、技法はあまりありません。なので、経験代謝を軸にして、実際、さまざまな心理療法の技法やアセスメントを使っていく必要があります。

その際、アドラー心理学は非常に有用だと感じます。


アドラー心理学は、個人をそのひと全体から見るという特徴があります。また、早期回想といった経験代謝に近しい技法もあります。

また、臨床心理学でのその影響の広さの点でも、経験代謝と同様、他の心理療法にもオープンです。


ロジャーズも、サビカスも、アドラーから影響を受けている点では、キャリアコンサルタントにとっても馴染みやすいはずだと思います。


あと、受験者にとってはアドラー心理学を知っておくと、カウンセリングやキャリア理論の整理がしやすくなるというメリットもあります。

アドラー心理学が初めてという方は、次の本がおススメです。

アドラー“実践

アドラー“実践"講義 幸せに生きる (知の扉)