サイコセラピーの効果
精神分析によって切り開かれた心理療法は、精神分析に対抗する行動療法が登場して以降、しばらくこの二大潮流により行われてきたが、第二次大戦後、百家争鳴と言われるほどに、数々の心理療法が誕生してきたといわれる。
60年代に入り、心理療法の治療効果に疑いがもたれる事態に至って、実証的にその効果検証が行われ、多くの心理療法が俎上に載せられた。
その結果、心理療法の効果には、カウンセラーが施すところの効果は、ほぼ半分で後の半分はクライエントが自ら持つ治癒力によるものだとわかった。
しかも、カウンセラーの施術のうちの大半は、どの心理療法にも共通して見られるものであることも明らかにされた。
つまり、心理療法による技法の違いはあまり大した違いではない、それよりもクライエントに対するカウンセラーの態度やどの心理療法でも変わらない技法に注目すべきだということになる。
このあたりの経緯は、アイビーのマイクロカウンセリングが開発された背景のひとつだろう。
アイビーのマイクロカウンセリングは、カウンセリングのメタモデルとして開発され、カウンセラー教育のプログラムに利用されている。カウンセラーが駆使する技法群を体系的に整理したものだ。
前述の効果の分解から、極端な話、マイクロカウンセリングさえ使えれば、あとはクライアント次第でなんとかなる、のかな?
あるいは、マイクロカウンセリングさえ使えれば、カウンセラーは、精神分析だろうが、行動療法だろうが、好きに使えば良い、ということになるのかな?
私自身は、大学の授業、キャリコン講習で、マイクロカウンセリングを学んだ。また、マイクロカウンセリングは日常のコミュニケーションにも応用できる。というか、意識して使ったほうがよい。
ときたま、あっ今のいいかえ? お、いま、要約したほうがいいかな?とか、自分のコミュニケーションの取り方を、マイクロ技法で分析していることがある。
カウンセラーにとって、コミュニケーションには意図が大事。
なので、自分のコミュニケーションを振り返るためにも、マイクロカウンセリングは応用できると感じます。