やはり、カウンセリングの基本はロジャーズ
ロジャーズの3条件を考えるとき、カウンセラーとクライアントが向き合っている場面をイメージしてみるといいと思う。
カウンセラーがクライアントに3つの条件を満たすように振る舞うことが大事。
さらに、ロジャーズは、これら条件を満たしていれば、クライアントのこころの疾患は治るのだと言う。
無条件の肯定的配慮とは受容とも言われる。そこにいるクライアントをあるがまま受けとめること。
共感的理解は、クライアントに共感を示しつつ、クライアントが今目の前で体験しているのとあたかも同じように体験しようとすること。
先日、講習のDVDのなかで、講師の方が共感と同感を区別することを強調されていた。
確かに勘違いしやすい。ひとの悩みを聞いて、わかるわかる私も経験あるよというのは同感。これは共感ではない。
あるいは、まあ、そんなこともありますよ、私はあなたが言う経験はしたことがないが、同じような思いはしたことがありますよ、まあ、時間が解決してくれます。これはカウンセリングですらない。
共感の前提には、クライアントの経験はクライアント固有のものだという絶対条件がある。例えば、失恋がうまくこのあたり説明できると思う。カウンセラーは、自分の体験を持ち出すことなく、クライアントが体験したことを、自分も体験しているかのように、感じようとする。
カウンセリングで傾聴スキルがなぜ大切なのかといえば、このためだ。傾聴はクライアントを共感するためのスキルである。
自己一致は、自己概念と体験の一致をいう。
カウンセラーは一致している、クライアントは一致していない。
自己概念は、自分はどういう人間なのかについての認識であり、それが経験とズレているかいないかが自己一致、ということだとひとまず考える。
例えば、私はみんなから好かれる人間だと思っていたとして、実際には、誰も自分と遊んでくれないという現実がある。そこにフラストレーションを抱えている。これは不一致な状態である。
私を好いてくれるひともいるし、そうではないひともいると思っていると、これは自分のふだんの生活実感に近くなる。自己一致に近づいている状態だといえる。
と考えると、カウンセラーは自分についてよく知っていて、自分のアイデンティティを把握している者といえるのかもしれない。
自分に嘘をつかない状態が自己一致という状態なのかもしれない。