キャリアコンサルティングの歴史
キャリアカウンセリングの歴史は、20世紀の初頭、パーソンズの功績から始まる。
都市に流入する若年層への職業紹介がその始まりだった。農村社会から産業社会への移行期にあたる。
その後、第二次大戦後を挟んでの冷戦期の国防教育法、ベルリンの壁崩壊後のクリントリン体制での施策も、重工業産業の発展、情報化の進展と結びついている。
職業からキャリアへという表現に変わってきたことも、産業社会の変遷と切り離せない。
一方、パーソンズのガイダンス運動はカウンセリングの始まりでもある。
精神衛生運動、心理測定運動と並び、職業指導運動は、カウンセリングの端緒を開いた。
そして、臨床心理学に対峙しながらカウンセリング心理学は米国社会で根づき、発展してきた。
日本の場合、この間の事情は、あまりよくわからない。そのよくわからなさは、公認心理師、キャリアコンサルタントという国家資格が昨年になってやっと出来たこととそこにいたるまでの経緯にあるのだろう。
教育現場の進路指導ということばも、その当時の学校の役割を表していると思う。要は、中学、高校出て、進学しますか就職しますかという選択に、三年生の時点で対処していれば学校側は済んだ。
今では、教育現場でもそれだけで済まなくなっている。健全な就業意識を育てることに学校も積極的に関わっている。キャリア教育が義務教育の年齢で行われている。
米国での歴史とは別に、日本にも産業構造の変化によって就業支援への要求も変化してきたはずだ。特に、ここ10年くらいの変化は押さえておく必要がある。