キャリアコンサルタント学習ノート

キャリアコンサルタントの学習記録

キャリアコンサルタント試験合格体験記(7)スカイプで学ぶ クライエント中心療法を学ぶ

養成講座でのロープレは、受講生同士で行うことがほとんどでしたが、中間試験、修了試験の時だけは合格者の方がクライエント役を務め、試験に出てくるような話題で行いました。受講生同士で行うと、毎回ひとは違うようにはするものの、お互いがシロウトなので、何が良くて何がまずいのかが結局よくつかめません。ずっと講師やTAがついてアドバイスしてくれるものでもありません。

なので、私のクラスでは中間試験でのロープレは教室に戸惑いが充満していました。今まで触れたことのないような話題、予想つかないクライエント役の反応、コンサルタント役の受講生の応答に、焦り、迷い、不安が見事に現れていました。かくいう私自身、クライエント役にイマイチ入り込めませんでした。

中間試験で私がクライエント役からもらったフィードバックは手厳しいものでした。最初は聴いてもらっている感じだったが、途中から話しづらかった。ほんとうは上司の話がしたかった。

修了試験でも、その雰囲気はあまり変わりませんでした。このときは、前回と違い、私自身では、うまくやれたと思っていました。ただ、講師からのフィードバックは厳しいものでした。


修了試験が終わった段階で、私は途方に暮れていました。

3月末に養成講座を修了して、試験までの約2ヶ月、これからどのように試験対策をすすめていってよいのやら。

学科はたぶん大丈夫、と見込みは持ってました。過去問を解いて、合格ラインは超えていたため、後は苦手としている労働行政やキャリア教育の点数を取りに行くかいかないか、くらいに考えていました。そのため、実際の試験では冷や汗かきましたが。

問題は、やはり、実技です。

論述は何を書いていいのか、さっぱり見当がつかない。

面談は、それこそ、何をしていいのかもわからない、という状況でした。

 

そんな3月末から4月のころを考えると、実際、今回の試験結果がよく出せたなと感じます。そして、つくづく、出会ってよかったと思います。それが、今回、ご紹介するスカイプ塾です。

 

スカイプ塾ーキャリアカウンセラーCDAへの道を歩いて

http://m.skype-juku.webnode.jp/

 

私は4月に入塾しましたが、最初に驚いたのは登録して送られてきた資料です。ちなみに資料はファイル便で送られてきます。

面談虎の巻、ロープレの音声など。

面談をどうすすめていけばいいのかわからないと途方に暮れていた私には、これらの資料は非常に有難いものでした。ロープレの音声はそれこそ、iPhoneで何回きいたことか。

面談虎の巻は私のバイブルになりました。

 

ロープレは、スカイプで、一対一で行われます。私はスカイプも使ったことがなく、また、会ったこともないひとと話すというのは多少戸惑いもありましたが、塾長の温かみのある、朗らかな声で、「今どんな状況ですか?」と問いかけられたときには、すっと今自分が感じている試験に対する不安をそのまま打ち明けることができました。とても話しやすい。

そのあと、初めて塾長とロープレを行いましたが、そのとき「大丈夫だと思いますよ。受容ができているから」という一言はそれから試験までの私の気力の支えになりました。

正直言えば、この「受容」という言葉と自分のロープレが結びついてはいませんでした、この時。

もちろん、それがロジャーズの言葉だと知ってはいます。では、自分の応答のどこが受容と結びついているのがは、そのときはわからなかったのです。

(参考 このブログにも、一部書いていました。次の記事です)

 

amq87-coaching.hatenadiary.jp

 

塾長とは計4回、指導していただきました。

4回になったのは、4月に二回受けた後、私が仕事にかまけて間を少し開けてしまったためです。

その間、予約が埋まってしまっていたため、私が予約を入れようとしたときには学科試験の前日と実技試験の前の日しか空きがありませんでした。

 

その間、急遽、通っていた養成講座で開かれた面接対策に参加したり、スカイプ塾のブログをプリントアウトして読み込んだり。塾長のロープレの音声を繰り返し聴いたり。

 

養成講座の面接対策では、計8人。初日はひとり15分のロープレと5分の口頭試問を行い、講師や受講生からのフィードバックを受けるというものでした。そこで、私は面談虎の巻のとおりのロープレができ、結構、そこで調子に乗ったのです。ところが、2日目、現役の方を相手にしたロープレは、時間を使い切れず、うまくいきませんでした。

(参考 このときのロープレは過去記事にしています。)

 

amq87-coaching.hatenadiary.jp

 

3回目のロープレで塾長にこのときのロープレを話すと、いくつか質問いただきました。私が話した限りでのクライエントの状況から想定されることではあるのですが、私には何も答えられませんでした。そりゃ聞いてなければ答えられるはずがありません。

このときは、私が話したことを踏まえ、このときのロープレの題材を選んでいただいたのだと思います。調剤薬局に務める50代の女性。途中まで進み、立て続けに質問してしまい、私の応答がつまったところで、いったん中断。

「このひとの仕事、わかりますか?」

調剤薬局に勤められています」

調剤薬局で何してるんですか?」

「えーと」

「このひとの来談目的は何ですか?」

「娘さんがひとり立ちして、空の巣症候群のように気力が落ちた、ということでしょうか」

「気力が落ちて、どうですか?」

「・・・」

「仕事はどうですか?」

「そう、うーん、仕事は・・・」

「これはキャリアコンサルティングですよね。なので、仕事なんですよ。そこから離れることはないんですよ」

そして、冒頭のあいさつから再開です。今度は15分手前くらいまで進みました。クライエントは自分の辛さを具体的に話したあと、「だから、もう、しんどいんです」とため息をつきます。

「そうですか、しんどいというのはどんなお気持ちなんですか?」

「しんどい・・・!? しんどいはしんどいですよ」 

ムッとしています。

そこから、応答は少し続きましたが、私は対応できず、中断です。

「なんで、しんどいってどういう気持ちなんですかってきいたんですか?」

私は答えられませんでした。

「ああ、このひとは私の話を聞いてないんだなと思いましたよ。気持ちが離れていきましたよ」

「しんどいという言葉はクライエントの自己概念と結びついた言葉だと思ったんです。クライエント独特の表現だと。なので、そこは焦点を当てようと」

「それは勉強のし過ぎです」

私は呆気にとられました。

「なんか、あるんじゃないかとか、深い心理が隠されてるんじゃないかとか、そんなの思っちゃダメです。むしろ、しんどいんですっていったら、しんどいんですねって、そのまま返せばいいんです」

クライエントの気持ちに寄り添うということは何度も養成講座でも説明を受けましたが、このときの塾長の説明はストンと腹に落ちました。

私はこのとき、確かに、クライエント独特の表現に焦点を当てましょうという公式どおり応答したのです。ただ、公式というのは、どんな時にも、どんな場面でも使えるものではありません。ときに、クライエントとの関係を一挙に壊してしまう場合もあります。

「クライエントから気持ちをはなさないことです。気持ちがくっついていたら、しんどいってどういう気持ちですか、って言葉は出てきません」

 

共感。そう、私に決定的に足りないところは共感だったのです。

(参考 このときのことは、そのころ、こんな風に書いていました。)

amq87-coaching.hatenadiary.jp

 

 

この3回目のロープレは、いま考えれば、試験1週間前、直前ということも塾長には配慮いただいたのだと思います。時間延長していただいたこともあり、私はにとっては密度の濃い、気づきの多い時間でした。

このとき、「クライエントの味方」という言葉もいただいたのですが、これはスカイプ塾の合格の声で書きましたので省略します。興味のある方は是非、こちらで確認してみてください。

http://m.walk-way.webnode.jp/

何人かの方が合格の声をかかれていますが、タイトルに「クライエントの味方」とあるのが私の書いたものです。

 

塾長のアドバイスは、抽象的な概念ではなく、面談の場での応答に結びつく、具体的なものでした。

「話しやすかった」とか、「人柄がでていた」とか、感覚的なものではなく、「事柄しか焦点を当てていない」と指摘して終わるような単純なものではありません。

クライエントととの面談の流れの中で、何をしないといけないのか、何をしてはいけないのかをきちんと腹落ちさせていただきました。

私が何ができていて、何がまずいかを判断し、的確に指導していただきました。

スカイプ塾を経験された方が、おそらく、塾長から得たアドバイスはさまざまのはずです。それは他の方が書いている合格の声を読んでもわかります。受講生の一人ひとり、抱えている課題は違うのでしょう。それに合わせて指導されていることが、合格の声を読んでいると感じます。それがスカイプ塾の高い合格率につながっているのだと思います。

 

とはいえ、塾長の指導の根幹はとてもシンプルです。ただ、そのシンプルさは、勝手な推測ですが、何が通用して何が通用しないかを経験されてきたなかで、まとめられたものだと思います。

それが、塾長がブログで書かれている、「クライエント中心療法」なんでしょう。

「クライエント中心療法」は、ロジャーズに立ち戻ってみても、そのシンプルさは、数多ある心理療法のなかでも飛び抜けています。

ロジャーズの必要十分条件は、図にすると、こんな感じだと思います。

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クライエント中心療法も、ロジャーズもキャリアコンサルタントの教科書には必ずでてきます。受容、共感、一致は、基本的態度として教わります。

ただ、面談での具体的な応答として説明できる方はあまりいないのではないかと思います。

たぶん、「共感とは、クライエントの経験をクライエントが感じているように理解しながら、それがあたかもクライエントが感じているようにということを失わない感じ方」とか、説明しろと言われれば、教科書に書いてあるような説明はできます。では、面談でどんな応答をすれば共感的理解なのか、それはなかなか教科書の説明ではわかりません。

ロジャーズの言っていることは、そもそも、一般的な説明が難しいんじゃないのかと感じることがあります。というのも、それはロジャーズ自身の体験に根ざしたものだからです(実際、ロジャーズの論文を読むと、ロジャーズ自身の経験から書き起こされているものが多いことに気づきます)。なので、一人ひとりが自分の言葉で理解するしかないんではなかろうか。受容、共感、一致も自分の言葉で表現できる。自分がやっていることについて、自分の言葉で、その意図を表せる。もちろんクライエント中心療法を自分の理解の仕方に合わせ的確に案内していただけるひとがいることは非常に心強い。

そして、「クライエント中心療法」は、やはり、キャリアコンサルタントを志すなら、基本として身につけておくべき必須のものです。

ブリーフセラピーや解決志向、ナラティブアプローチ、動機づけ面接、認知行動療法など、技法はいくつもあり、ついつい、もっと自分にあった技法があるんじゃないかと探してみても、あまり、役には立ちません。テクニックだけ覚えても、例えば、ミラクルクエスチョンやスケーリング質問を覚えても、それだけでは面談はうまくいきません。逆で、クライエント理解があって、それらの技法が活きるのです。これはまた、伝え返しという、クライエント中心療法の代表的な技法にも同じことが言えるはずです。技法は態度と一体でないと役に立たないどころか、クライエントを悩ませてしまうものでもあるからです。

私がスカイプ塾で学んだことで、最も大きいことは「クライエント中心療法」が基本ということを体感したことです。

 

結局、それが試験合格の一番の近道でした。

つらつら書いてきましたが、最初に書いたように、養成講座が終わった時点での私の実力はとても合格できるようなものではありませんでした。それこそ、クライエント中心療法は、まあ、理想で、そこを目指して頑張ろうということなんだろうけど、なかなかたどり着けないから、というような、なんか、昔の言葉でいえば、日和った考え方でした。それが考え方が変わりました。見事に。

 

この体験をただ、ただ共有したいと思い、この記事を書きました。

1人でも多くの方が、スカイプ塾に入塾され、「クライエント中心療法」を体験されることで、キャリアコンサルタント試験に合格されるといいなあと願っています。

 

キャリアコンサルタント試験の受験生の方は是非、一度、スカイプ塾への登録をオススメします。

 

 

 

 

 

 

キャリアコンサルタント試験合格体験記(6) 面談スキルの向上のために

前にも書いたかもしれませんが、養成講座だけでは実技試験に確実に合格することはほぼないと思われます。すでに高い傾聴スキルを持っている方であれば受かるのかもしれませんが、そうしたスキルを持たない人が養成講座の限られた時間で、実技試験に合格するのはよほどの幸運としか、私にはかんがえられません。

そう考える理由はいくつかあります。

ひとつは、試験の15分というロープレを養成講座ではほぼやらないからです。

また、逐語録は作成はしましたが、自分のクセを細かくチェックしていただける機会があまりないからです。

さらに、事例を掘り下げるということもしませんでした。

中間試験、修了試験のフィードバックはあっても、話しやすい、人柄が出ている、と漠然として、具体的な改善につながるアドバイスはあまりありませんでした。

 

限られた時間で、厚労省が指定するカリキュラムをこなすには、ロープレを十分にやれる時間は取れないのかもしれません。

 

ただ、これらは私の経験でしかないので、人によっては違うのかもしれないですね。

 

とはいえ、やはり、ロープレは数をこなすことに越したことはありません。

 

早めに、ロープレの時間を設定するようにしましょう。

その際、講師、チューター、あるいはそのスクール出身の合格者など、誰かアドバイスしてくれるひとを探し、お願いしましょう。

レコーダーは必須。

ロープレをやったら逐語に落とす。

逐語を誰かに添削してもらうのも勉強になります。講師に頼んでみましょう。

15分のロープレに早めに慣れておくことです。

できれば、どちらの試験機関で受けるかも早めに決めておけば対策も立てやすいですね。

試験対策は、養成講座が終わるのを待つ必要はありません。

私の場合、指導いただいたことも素直に受け止め、自分なりにこうやればいいんじゃないかと整理できたのは試験前日でした。

このブログで、何度も更新してきた次の図です。

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養成講座修了後、あたふたしつつ、アドバイスを受けながらわかったことは、 受容、共感、一致、つまり、ロジャーズの必要十分条件をできるようにすること。しっかり傾聴すること。

面接実技は、初回面接という場面設定で行われますが、そこでの一番の目標はクライエントと良好な人間関係を結ぶことです。

そのためには、まず、コンサルタントはクライエントといる間、ごまかさない、思っていないことは言わない、そうした態度でいることが必要です。そして、クライエントをひととして受け入れ、クライエントのことばやしぐさをそのまま受けとめる。そして、クライエントが話したことやしぐさから感じとったことをしっかり伝え返してあげる。そのうえで、私はあなたのことを理解できてますかと確認する。

まとめると、クライエントから気持ちを離れさせないということになります。

気持ちを離さず、とにかく、クライエントを理解することに徹する。

私が試験で心がけたのは今書いたことです。


面談の間、コンサルタントとしてやることをまとめたのが次の図です。


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結局のところ、コンサルタントとしてやることは、クライエントに存分に話してもらうように働きかけること。それをしっかりと聴くことなんですね。

クライエントに話を促す、クライエントの話を聴く、聴いたことを伝え返す、この繰り返しです。それを何回か繰り返した後、話をまとめます。

試験時間の15分だと、だいたい、話をまとめるかどうかというところで終わりです。主訴を確認できるかどうか、というところでしょう。

試験では、ロープレのあと、すぐに口頭試問に移ります。そこで、クライエントが訴えたかったことは何か、つまり、主訴ですね、そして、キャリアコンサルタントとして見たクライエントの問題は何か、今後、この面談をどのようにつづけていくか、といったことをたずねられます。論述の設問と似た内容です。そのためには、それに答えられるように備えておく必要があります。

言い換えると、ロープレは途中で終わっても、キャリアコンサルタントとしてあなたはクライエントのためにどんな支援ができますかと聴かれているんですね。


ロジャーズの受容、共感、一致は、大学のスクーリングでもやりましたし、養成講座でも学びました。ただ、あまり意識してロープレをしたことはありませんでした。なので、今回、あらためて、ロジャーズの言っていることはなんなのか、どういうふうにやればいいのかを自分なりにまとめました。それが結果的にうまくいきました。


他の記事でも書いたように、私はJCDA受験なので、これが協議会でも通用するのかどうかはわかりません。おそらく、今の時点で考えると、少し違うアプローチを取るだろうとは思います。


 

 

 

キャリアコンサルタント試験合格体験記(5) 養成講座の雰囲気

さて、キャリアコンサルタントの養成講座には、クラス内に独特の雰囲気が生まれます。なぜかというと、特に、応用実習では自己開示する機会が多いからだと思います。クラスによっては非常に強い連帯感が結ばれることもあります。ただ、すべてのクラスがそうだとは限りません。

応用実習では、面談のロープレもやりますが、自身の自己理解のワークもやります。ジョブカードも作ります。そうした機会で、おそらく、ふだん話さないようなことを話すこともあります。

そういう意味では、資格取得ということをちょっと脇に置くと、養成講座は自己理解のためと考えられそうです。

カウンセラーには深い自己理解が求められています。それは自分のありのままを受け入れていなければ、クライエントを受容できないからです。

これ、何のことか、ピンと来ますか?

頭では理解した気になってしまうのですが、これ、体験してみないと理解できないことだと思います。私は、今は、理解したとは言えない、だけれど、だんだんと理解に向かってるような気がします。というのは、ひとを以前よりは許せるようになったと気づいたからです。最近は少し前戻って来たと感じることもあります。

 

具体的には言えませんが、ふだん打ち明けないような話をすることで、独特の親密さが生まれてくることは確かです。

 

その意味では同じ資格取得を目指す仲間意識が生まれやすいと言えるでしょう。

そういう雰囲気が心地よい人もいますし、苦手な人もいるでしょう。

ただ、どちらでもよいのです。無理をする必要はありません。

ただ、そこで自分の好きに過ごして良いのです。

 

 

キャリアコンサルタント試験合格体験記(4) 学習を開始する

養成講座は、講座によって、理論は通信、実習は通学というところもあれば、すべて通学という講座もあります。通信もDVDがおくられてきたり、ウェブで学習するものもあります。

私の場合は送られてきたDVDで理論は学びました。これは実際の授業を録画したものでした。実習は年明け1月から3月まで週2回、平日夜通いました。平日夜の通学は、仕事終わりということもあり、結構、疲れます。なるべく早く会社を出るようにはしましたが、業務都合で間に合わないこともあります。それでも遅刻してでも通ったのは修了条件に出席率があったからです。

 

理論学習が一通り終わったら、学科の過去問を解きましょう。

最初は、合格ラインの70点が取れなくても、全然気にする必要はありません。

むしろ、大事なのは、自分の得意なところ、苦手なところを把握することです。

得意なところは、より確実に点数をとるために知識を広げていきます。興味があるところは参考文献に手を出しても良いでしょう。

苦手なところはテキストをまず理解することを心がけましょう。

得意なところは、すでに頭の中に知識のネットワークが出来上がっているので、色々手をつけていくことで、より知識の幅も理解の幅もひろがっていきます。

逆に、苦手なところは、色々と手を出すことでかえって混乱してしまう可能性があります。とはいえ、どうもテキストが理解できん、というときは、極力、安くて薄い入門書を手に取るのはアリです。

キャリアコンサルタント試験の学科は、学問分野で言えば、心理学から経営学、教育学、社会学労働経済、労働法、労働行政と非常に幅広く問われます。なので、どのあたりから出題されそうか、というあたりをつけながらやらないと非効率な学習になりやすいのです。効率よく学習するためには過去問を解き、出題ポイントを把握することが鍵になります。

ただ、第4回の試験では学科の難易度が一挙に上がってしまいました。出題比率も変わり、労働行政分野の問題が増えました。私は、今回の試験ですべて網羅されたテキストは見たことがありません。むしろ、私が養成講座で学んだ教科書には出てこない問題が結構、出題されていました。

学科試験もそれなりに時間をかけないと通らない試験になったということなのか、そうでないのか、私にはわかりませんが、教科書以外の参考文献もできるだけ目を通すことが必要なのは確かでしょう。そのためにも、自分の得意なところ、苦手なところを見極めが大事になってくると思います。

私は、大学で心理学をやっていて、スクーリングで、カウンセリングやコミュニケーションスキル、アセスメントを学習してきたので、この分野については非常に楽でした。一方、労働法や労働経済は弱かった。特に労働行政については厚労省の資料を読んでおかないと解けない、と感じた問題が出題されていて、試験時間の間、とても焦りました。試験が終わった後は受かった気がしませんでした。

厚労省の資料は揃えるのも、読み込むのも時間がかかります。今後、各養成講座でもサマリーを提供してくれると、ただでさえ時間のない受験生は非常に助かりますね。

 

学科試験は択一なので出題形式にも慣れておきましょう。

正解を一つ選ぶ、間違いを一つ選ぶ、正しい文の個数を答えるなどパターンは限られています。また、この形式は知っていないと解けないかというと、そうとも限りません。持ってる知識を活用することで、知らなくても解ける問題もあります。

数字の問題もトレンドを押さえることで、正解を導き出せる場合もあります。

試験でそうした応用を効かせられるようにするに暗記はやめましょう。

語呂合わせは記憶の定着に都合いいのですが、単なる暗記は知識がつながっていかないので応用が利きません。なので、これまでと違う形で出題されると知っているのに解けないということにもなりかねないのです。

第4回試験で、私が失点した問題のなかで、翌日発表された正解のなかで、納得がいかない解答がいくつかありました。中には後日修正されたものもあったのですが、納得いかない問題の解答を確かめたなかで、問題文がある本の一節丸写しのものがありました。そして、私はその同じ箇所を丁寧にもマーカー付けていたのでした。

うろ覚えでは学科の問題は解けないということだと思います。

やはり知識は正確に定着させておきましょうね。

 

 

 

キャリアコンサルタント試験合格体験記(3) 養成講座を選ぶ

養成講座は慎重に選びましょう、と先に書きました。

ここでは、そのためにオススメする作業、受験者側で注意しておきたいことを書きます。

講座の資料は、できるだけ集めましょう。

集めたら、エクセルで比較表を作成しましょう。

 

比較表の項目は、例えば、

  • 通信か通学か
  • 開催日程
  • 教室の場所
  • 費用
  • 講座の内容
  • 使用テキスト
  • 講師のラインナップ

他にもあるかもしれません。適宜追加削除してください。

項目を決めたら、自分でこれは大事だという項目に重み付けしておきましょう。

土日は通えないということであれば、開催日程は限られますし、費用はできるだけ押さえたいのであればそこを重視して比較していくことになります。

各講座の資料かr比較表に落とし込んだら、漏れはないか、確認しましょう。

自ずと、この時点で、説明会に参加する講座は絞り込まれるはずです。

講座の資料で講師の名前が記載されているのなら、googlefacebookなどで検索してみましょう。どういう仕事をしているひとなのかをしらべておき、説明会で会えるかどうか、会えるんであれば話を聞いてみましょう。

講師の質が講座の質と言っていいくらい、重要なポイントです。

ただ評判がいいから、というだけではなく、自分との相性も大切です。

なので会って話ができるならそうした方が良いです。

比較表の作成は各講座の特徴が一覧して見れるという利点と、どの講座が自分にとってムリがないのかを見つけるのにも便利です。説明会に参加したときに、自分が確認しておきたい事もはっきりします。

また、講座選びのポイントになることとして、いつの試験を自分は受けるのかということも大事です。それによって、時間の使い方が変わってきます。

私の場合、申し込んでから受験まで1年でした。実のところ、第3回試験を受けたかったのですが、講座が満員で空きがなかったのです。

試験日程は、各試験機関のホームページで掲載されているので早めに確認しておきましょう。いつの試験を受けるのか、おしりが決まればそれまで、どれくらいの時間があるのかが決まります。その間、仕事や家庭などと養成講座に通い、学習する時間を調整する必要があります。このあたりのことはまた次回。

 

 

 

キャリアコンサルタント試験合格体験記(2) 資格取得の意志を固める

資格を取ると決めるには、まず、その資格に興味をもったきっかけがあったはずです。

新聞で取り上げられていたとか、たまたまキャリアコンサルタントと知り合った、あるいは、転職の際に非常にしんみになって話を聴いてくれたなど、ひとそれぞれにキャリアコンサルタントに興味をもったきっかけがあったと思います。

私の場合は、大学のスクーリングで、やたらとロープレをやってほめられたことで、カウンセリング関連の資格を取りたいと思った、というのが元々ありました。ただ、ダイレクトにキャリアコンサルタントに興味をもったのはこの資格が国家資格になったということでした。少子高齢化社会のなか、いかに生産性を高めていくかという国家的な命題がかかげられ、また、国をあげてキャリアコンサルタントを増やしていく計画のようだと知って、この流れは大きな流れであることは間違いないし、今後、期待がもてる資格かもしれないと考えたのです。

こうしたきっかけがあって、資格について調べていくのですが、こうした行動につながるのは、何か自分のなかに課題があり、その課題がこの資格を取ることで解消されるような、そんな期待感を感じているからでしょう。

キャリアコンサルティングのプロセスで、一番最初に自己理解を深めることが位置付けられていますが、資格を取ろうと決める際にも自己理解はとても大切なステップになります。

私の場合は、上記のスクーリングによって、カウンセリングをやりたいという思いはありました。ただ、どこかでこの年齢で一から何かを始めるというのも億劫な年代です。ただ、私が今勤めている会社には退職金がありません。年金制度に対しての不安も抱えています。このまま今の会社につとめていたところでその先が見えません。会社の経営方針にも納得がいかないところがあります。そうした、将来に対しての漠然としたモヤモヤ感。それを抱えていたところでのキャリアコンサルタントの国家資格されるという知らせ。


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受けるかどうしようか?


この選択にあたっては、その資格を取ることでどんなことが期待できるのか、ということと、一方で、取れますか?という、2つの問いがあります。

どれだけ魅力に感じていても、やり切れる自信がなければあきらめることになるだろうし、やり切れるとは思うけれども、取ったところで役に立つことがないなら、時間やお金を使う気にはならないはずです。

資格に対する魅力もやり切る自信もひとそれぞれでしょう。知識や経験がなくても、とにかく取るんだという気持ちの強さで、試験まで乗り切るひとはいますし、能力はあってもそこにかける余裕がないというひともいるはずです。

そう考えると、資格を取ろうと決めるにも、いろいろと制約はあるのです。

お金の面、時間の余裕、これまでの経験、知識、場合によっては家族のことも考えないといけない。仕事のことも気にかけないといけない。

ここで、どれだけ真剣に考えていたかで、資格取得への動機の強さが変わってきます。動機の強弱で合格まで乗り切れるかどうかが変わってくるのです。

そして、これは自分で決めるしかありません。ほんとうに自分が納得して、自分で決めたことはそうそう諦めないものです。自己成就という心理が働くからです。

ひとからすすめられて、というだけではそこまでのモチベーションは長続きはしません。


キャリアコンサルタント試験合格体験記 (1) 合格までの道のり




キャリアコンサルタント合格までの道のりを、私の体験をベースにしながら整理していきます。

全体としての大まかな流れは、どの資格を取る際も同じだと思いますが、次のような流れになります。


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スタートは、この資格を取ると決めるところからですね。

受験資格にもよりますが、実務経験がない場合、厚労省指定の機関で養成講座を受けることが必須になります。ここは、社労士や税理士とは異なるところですね。むしろ、AFPに近いです。

養成講座修了によって受験資格が得られることになります。

そして、試験を受けて、一定の点数をクリアすれば合格。

大まかにいうとこんな流れです。


では、次回からひとつひとつ説明していきます。