社会心理学を復習する
- 作者: 大坊郁夫,安藤清志
- 出版社/メーカー: ナカニシヤ出版
- 発売日: 1992/07
- メディア: 単行本
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カウンセリングにおけるクライエントの心理過程
カウンセリングの間、クライエントにはどのような心理が働いているのか?
ふと、そんな疑問が湧いたところ、思いつくのは、ロジャーズの自己一致くらい。
これまでロープレでクライエント役をやったことくらいで、カウンセリングでクライエントの心理がどのように働いているのか、何がこころの中で起こっているのかについて、あまり考えたことがなかった。
クライエントの抱えている困りごとや悩み、モヤモヤしたものが、カウンセラーのかかわりによって、どのように変化していくのか、それを考えてみたいと思った。
むしろ、カウンセラーのかかわりとしての技法は学んできたものの、一方で、クライエントの側では何が起きているのかをあまりにも考えなさすぎる気がする。
伝え返すことで、クライエントに自問自答を促し、といったことではなく、クライエントの中で、カウンセリングの間、何が起こっているのかを知りたい。
それって、どうやればわかるんでしょうね?
逐語の読み込みか?
でも、何かしら、クライエントのこころの動きを知るためのポイントは知っときたいなあ〜。
来談の経緯について
クライエントがカウンセラーを訪れようとするのは、そうせざるを得ない問題をクライエントが抱えているから。と同時に、カウンセリングそのものへの抵抗感も少なからず持っているのではないか、と思われる。
ひとは、見ず知らずの人間にそうそう自分の悩みや困りごとを打ち明けるとは思えないし、大方のことであれば、職場の同僚、友人、家族に打ち明けることで解決できるだろうと思われる。
また、カウンセリングを自分が受けるということじたいに、自分の自尊心を崩すように感じるひともいるかもしれない。
問題に対し自力で、周囲のサポートをえて解決しようとしたがうまくいかず、その問題が見ず知らずの人間に助けてもらわないといけないほど、切羽詰まっている。その切実さ、切迫感が、カウンセリングを受けることへの抵抗より大きい場合、カウンセラーのところにやってくる。
もちろん、問題にもいろいろあるだろうし、ささいなことだとクライエントが感じていても、ささいなことだからこそ、誰にも話せなかったということもあるだろう。カウンセリングを受けることにさほど抵抗がないひともいるかもしれない。また、モヤモヤっとした、漠然とした思いで、問題というほど、ハッキリしたものではないかもしれない。
ただ、クライエントにはなんとかしたいと感じていることがあり、何をなんとかしたいのかはクライエントによって非常に幅がある。そして、見ず知らずのカウンセラーのもとを訪れるのには、やはり大小あれど、抵抗はある。その抵抗を抑えて来談したことをカウンセラーは尊重すべきだろう。
「ようこそおいでくださいました」と先ずはねぎらうべきなのだ。
来談の経緯はいろいろあれど、今、ここに来たことへの意志を大事にしたい。
クライエントの問題はクライエント自身のものであり、一般化してはいけない。私の場合はこうしたという経験談も不要。
引き続き、相談場面の設定に関連して
直近でまとめた面談プロセスは、全体として、相談場面の設定を目的としている。
インテークでやることは、守秘義務や自己決定など相談に関わるルールや範囲などの説明と共に、信頼関係の構築と主訴と問題の把握だが、私がまとめた内容にはルールや範囲は前提として記載していない。
相談場面の設定はキャリアコンサルティングを行う上でとても大事だと思うのは、インテーク面談はクライエントとコンサルタントが初めて出会う場面であり、ここでつまづいてしまうと後がない。キャリアコンサルティングの流れへ続いていかないからだ。その失敗は、自分のところに次回来ない、というだけでなく、結局、誰に相談しても自分の悩みは解決しないとクライエントが思いを決めてしまうという、想像すると非常に重大な事態を引き起こしかねないところにまで影響が及んでしまう。
そういう意味では、このコンサルタントは話しやすいなあとクライエントに感じてもらえることは最初の面接では重要なのかもしれない。ただ、話やすいし、よく聴いてくれるんだけど、ウンウンとかいってるだけで、悩みが解消されるようには思えないとクライエントに感じられては元も子もない。
また、あとで、余計なことまで喋ってしまったと後悔させるような聴き方もまずい。
コンサルタントの立場から言えば、クライエントの問題を解決するには、クライエントにとって何が問題なのかをきちんと理解したい。そのためにはクライエントにしっかりと話してもらう必要がある。
インテークの間にも、ひとつひとつの積み重ねが大事なんだなと思う。
クライエントに話したいと感じてもらうこと。そこで、つまづくと、その先はない。
コンサルタントだから話す、話してもらえるというのは面接の前提ではない。クライエントは役割で話すのではないからだ。クライエントには話す自由も、話さないという自由もある。話したいから話す。そういう雰囲気をつくることを先ずは目指したい。
相談場面の設定について
昨日、今日、学科対策の問題を解きながら、キャリアコンサルティングの流れの前に、相談場面の設定という項目があることに気づいた。
キャリアコンサルタントの必要能力体系に記載はされているのはこれまでも見たことはあったはずだが、ほとんど流し読みだった。
次のような項目で内容が記載されている。
(エ)相談の目標、範囲等 の明確化
受容的な態度、傾聴、積極的かかわり技法といった用語も記載がある。
内容として、直近でまとめた面談プロセスとモロかぶっている。
実技の面接ではインテークを意識する、という再認識した。また、自己理解から適応までのキャリアコンサルティングの流れについても念頭に置いておく必要はあるなあと感じた。
特に、エの相談の目標、範囲等の明確化については、面談後の口頭質問に関わるよねと思った。
面談プロセスをまとめた
面談プロセスをまとめてみました。
自分なりの試験対策として、面談時に心がけることをまとめました。
今後もロープレを重ねながら、更新していきますが、インテークで自分がキャリアコンサルタントとして心がける基本的なところはまとめたと思います。