キャリアコンサルタント学習ノート

キャリアコンサルタントの学習記録

ゲシュタルト療法について

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ゲシュタルト心理学は、部分の総和は全体ではないと考える。あるいは、全体は部分の総和以上だと考える。

この考え方は、特性因子論の考え方と対立するものだろう。

それと合わせて、重要だと思うのは、ルビンのツボに象徴されるような、意味を一義的には決められないという、認知の多様性についての指摘である。多様性は個別性の別表現でもある。

とするなら、ひとは個別の存在でありながら、個別であるがゆえに多様な存在でもある。

クライアントとカウンセラーの出会いとは、お互い個別であり多様である存在同士の出会いであり、だからこそ、そのセッションは一回性の性質をもつ。

セッションのなかで、お互いの言動に影響を与えあい、その相互作用によって、それぞれのこころに変化が生じていく。その変化は、まず、カウンセラーの配慮によって、ラポールの構築を目指して行われる。そのさなか、個別性と多様性は、解消されることはない。むしろ、際立つのだ。

あなたはあなた、わたしはわたし、として、カウンセラーもクライアントも、お互いの存在を認識し、カウンセラーはクライアントの生の人間性を尊重し、それを際立たせていく。

生の人間性とは、特性によって還元されない、そのひとがそのひとでしかありえない、かけがえない存在である。それは、社会的な人間関係で獲得される役割とは別であり、カウンセリングというセッションにおいて、クライアントはクライアントとしての役割と同時に、生の人間性をもつ存在である。自己開示の究極は、クライアント自身も気づいていなかった自己の生の人間性を知ることなのだろう。それは、自身が自身の個別性と多様性をより自覚していくプロセスなのだろう。