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キャリアコンサルタント学習ノート

キャリアコンサルタントの学習記録

アドラー心理学の意味

アドラー著作を渉猟しつつ、岸見さんの著作を参照したりもしながら、共感し、温かみも感じ、戸惑いと暗澹たる気分に落ち込むこともある。


確かに、アドラーは現代心理学の源流のひとつなのかもしれない。


「共同採掘場」とよばれる、アドラー心理学は、今の臨床心理学や社会心理学教育心理学、発達心理学などで、アドラー以後の研究につながっているのだなと思われる。特に、社会構成主義に基づくナラティブアプローチはアドラーの考えと重なるところが大きい。


人生の課題としてアドラーは3つの課題、愛、仕事、交友を取り上げている。その関連で、職業選択についてもいくつか取り上げている箇所があります。そして、職業選択についても、課題への向き合い方、つまり、ライフスタイルが大きくかかわる。

ライフスタイルはそのひとの生活上の信念ですが、それはそのひとの生活をうまく形作ることもあれば、生活を破綻させることもある。愛、仕事、交友という課題と向き合わざるをえなくなった時、ライフスタイルはその限界を見せる。あるいは、これらの課題に対するそのひとの態度を観察することで、ライフスタイルははっきりと見えてくる。

あるひとのライフスタイルを知るために、早期回想という方法があります。

アドラーによれば、ひとは4〜5歳頃には自分のライフスタイルを構築するようです。岸見さんは10歳頃と修正していますが、いづれにしても語られる幼少期の思い出に、そのひとのライフスタイルが表明される。

夢も早期回想と同様にライフスタイルの表明を知る方法です。

夢はフロイトユングも心の構造によって説明していますが、それとは違う考えをアドラーは持っている。深層心理学という言葉に対して、表層心理学というものがあるとすると、アドラー心理学はまさにそれなんじゃないかなあ。アドラーが着目しているのは、夢の機能であって、無意識やリビドー、元型などの構造や原因ではないんですね。無意識は認めても、それは意識と区別されるものではなく、意識と無意識をひっくるめて捉える。無意識とは、自分の闇でも、抑圧された経験とか、そんなものではなく、今、ここでは言語化されていないというステータスに過ぎなくなる。それは言葉にされる瞬間を待っているステータスでもある。ただ、言葉ではなくても、非言語的な表現を取ることがある。その表現のひとつが神経症です。あるいは、クセ。身振りにも表現されたりする。この意味で、アドラー心理学ゲシュタルト心理学と近い。


アドラーは、ひとの悩みはすべて対人関係のものだと考えた。現代心理学で、対人関係を主な研究対象とするのは社会心理学の分野です。社会心理学でも非言語的な表現に着目した研究は多く行われています。ポジティブ心理学にも通じてもいる。ライフスタイルがそのひとの認知だけではなく、行動や感情、身体まで包括するものだとすれば、それは現在の認知行動療法にもつながっている。子どものケースを多く取り上げているので、育児や教育へも応用されている。


こうしたアドラーの広がりは、それが核として健全さをもっているからでしょう。ある講演でアドラーは、常識的で何が悪いと啖呵を切ったという逸話が残っています。