いよいよ明日キャリコン試験結果発表
いよいよ、明日、5月27日、6月4日受験のキャリアコンサルタント試験の発表です。受験後、いろいろと波乱もあって、落ち着かない毎日ですが、明日、ひとまず決着ですね。後は座して待つのみ、とは、なかなか行かないもんです。まあ、でも、結果どうあれ、とにかく腹括ってますから、極みの道を進んでいくだけです。
良い結果でありますように。
動機づけ面接法メモ(9) 動機づけ面接法の進展
ここ最近、動機づけ面接法に関する本を集中して読んでいます。解決志向アプローチはペンディング。
動機づけ面接法は、今も臨床からのフィードバックを受けながら、進展し続けていて、説明される用語も変わってきている、という面があります。なので、少し整理しないと初心者には混乱するところがあります。
基本的な教科書も、現在日本で出版されているのは第2版ですが、すでに原書は第3版が出ています。そのため、論文などでは邦訳にはない言葉が出てきたりします。
例えば、邦訳では動機づけ面接法は二段階で進めるとされているのが第3版では四段階に修正されています。
また、医療分野を中心に展開してきたためなのか、取り上げられる事例も、禁煙やアルコール中毒、司法矯正が多いため、他分野からするとわかりづらい記述があります。その分野の専門用語がたまに出てきたらするのです。
ただ、そういった枝葉末節はありながら、やはり、このアプローチの根本的な考え方はキャリアコンサルティングにも通じると考えています。むしろ、今後、キャリアコンサルティングの分野でも事例が蓄積されてくるだろうと期待できるものだと考えています。
それはなぜか、というと、1つには動機づけ面接法がベースとしているのはロジャーズの考えであり、ひとの自己実現傾向を信じるという点。また、クライエント中心アプローチをベースとしながら、非指示的ではない点。技法として使われるのも、開かれた質問や伝え返しなど、キャリアコンサルタントにとって馴染みのある手法が用いられている点。
動機づけ面接法が自発的な変化を促すことを目指すという点に着目すると、キャリアコンサルティングの分野での活用の可能性は大きいと思われてきます。
学科のカウンセリング理論を学ぶ意味
キャリアコンサルタントの講座では、カウンセリング理論がカリキュラムに組み込まれています。なぜでしょうか?
そもそもが、という話なのかもしれませんが。
精神分析、行動分析、ロジャーズ、論理療法、認知療法、現実療法、ゲシュタルト療法といろいろな理論を学習するわけですが、これ、なんか意味あるんでしょうかね?
もちろん、何かしらの意図があって、カリキュラムに組まれているはずですが、どんな意図なんだろうか?
厚労省が出している表を確認すれば、その意図は意図として確認はできます。
これはカウンセリングに限らず、他の分野にも共通するのですが、私は、なぜ、これを学ぶのかという腹落ちを大事にしたいと考えます。このことは、特にキャリアコンサルタントを始め、ファイナンシャルプランナーでも、社労士でも、資格取得の学習をするときに非常に大事なことだと思います。
腹落ちしていれば、つまり、これを学ぶ理由が納得できていれば、より効率的に学習は進むし、また、記憶の定着や知識の応用力も違ってきます。
腹落ちしていないと、なかなか頭には入らないし、応用が効きません。
キャリコンの学科試験は択一式です。択一式だからこそ、知識の応用が必要になります。また、択一式だからこそ、ちゃんと整理して、系統的に記憶しておく必要があります。
厚労省の意図を理解しておくに越したことはありませんが、腹落ちするというのは自分にとってという視点が不可欠です。
さて、では、カウンセリング理論を学ぶ理由は何でしょうか?
理由は1つではありませんし、だれにとっても正解だという答えはありません。もちろん、試験に受かるためという答えもあっていいのです。ただそれ以外にありませんか?
キャリコン目指して1年経ちました
ちょうど一年前の今日、私はキャリコンの養成講座に申し込みました。
http://amq87.hatenablog.com/entry/2016/06/26/152818
1年経ったのですね。
私が選択したのが、基礎は通信、応用は通学という形でしたが、1年勉強してたんですね。
なかなかクラスにも空きがなく、
という感じで。
いよいよ、来週、発表ですね。
動機づけ面接法(8) 3つの要約
動機づけ面接法(7) 自己効力感
動機づけ面接法では、自己効力感を非常に重視しています。「4つの一般原理」のひとつに「自己効力感を援助する」と挙げられていることからもそれは確認できます(『動機づけ面接法 基礎・実践篇』、p.53-54)。
自己効力感は、端的に言えば、ある行動に対しての「自信」のことです。
「この問題集をやり通せば、確実に試験に合格できるだろう」と分かっていても、「この問題集をやり通せるかどうか、自信がない」のであれば自己効力感は低い。逆に「やり通せる自信がある」のであれば自己効力感は高い、ということになります。そして、効力感が高いほど、その行動をとる可能性は高くなります。
バンデューラは、この自己効力感に影響を与える要因として次の4つを挙げています。①遂行行動の達成、②代理的体験、③言語的説得、④情動的喚起。
①は達成した経験のある行動であれば、自信を持っているだろう、②はあいつにできるなら自分にもできる、ということですね。③は誰かから、あなたならできると言われその気になる、④は気分的高揚でしょう。
カウンセラーが直接的にクライエントを説得することはしません。というより、そうした関わりはかえって逆効果になると動機づけ面接法では注意されています。ただ、クライエントを信じ続けることがクライエントの自己効力感に良い影響を与えるとされます。
面談イメージとスキル
キャリアコンサルティングでも、ロジャーズのクライエント中心療法が強調されることが多いのですが、私は正直、そこにずっと違和感があり、最近、やっと整理がついてきたと感じています。
だって、キャリアコンサルティングでは、意思決定や方策の実行などがプロセスとして求められますが、クライエント中心療法にはそんなものはありません。
ロジャーズは、いわゆる、受容、共感、一致をクライエント中心療法の特徴だと言ってはいないことをあらためて再確認したこと。そして、動機づけ面接法なり、解決志向アプローチなり、その他カウンセリングやサイコセラピー一般で、インテークでは傾聴が非常に重視していること。
この2点の気づきから、だいぶ自分の中に腹落ちしてきました。
そこで、動機づけ面接法や解決志向アプローチ、あるいはナラティブアプローチなどを見ていくと、ロジャーズの中核条件を軸に、キャリアコンサルティングのプロセスに沿った形で、いろいろなスキル、技法が使えそうだと言う気がしています。
面談のイメージそのものは変わらないのですが、そこでどのようにスキルを展開していくかで、試しに整理して見ました。
面談は、コンサルタントのクライエントに対する全面的な好意的関心によるかかわりから、良好な人間関係が出来上がる、このようなプロセスを軸に展開されます。
そこで、コンサルタントに促されて、クライエントが存分に語ることで、クライエントのなかで、自分がほんとうに悩んでいること、困っていることが何なのかが次第にはっきりしてくる。
それを上記の図では、「主訴」と表現しています。
この主訴はクライエントが腹の底から相談したいことですが、一方、問題はコンサルタント視点でのクライエントの問題です。
それを共有したうえで、どうしようかという方策を考えます。
このような面談をすすめていくなかで、コンサルタントが繰り出す技法をまとめると、つぎのようにまとめられます。
1つ1つの技法は、あらためて書きますが、中心となるのは、促す→聴く→伝え返すの繰り返しです。
この間、ずっとクライエントに焦点を当て続けていきます。
クライエントの話だけではありません。
言葉も含め、表情やしぐさなど、つまるところ、クライエント全体に温かく、意識を集中させます。
傾聴はクライエントを理解するためにやる。
そこに全身全霊を傾ける。
基本はそこにあるんじゃないかなあ。