「キャリアコンサルタントの能力要件の見直し等に関する報告書」
厚生労働省からキャリアコンサルタントの能力要件の見直しについて報告書が公表されています。
それを受け、「キャリアコンサルタントが期待される役割を、従来の就職支援の観点にとどまらず、一人ひとりのキャリア自立の観点から、職業生活設計の支援を行うものとして整理」されています。
今後、養成講習のカリキュラムの見直しが行われるとともに、求められる総時間数も140時間から150時間に増加。主に、演習時間が増えるようです。
拡充強化されるのは、以下4点。
1)企業におけるキャリア支援に実施に関する知識、技能
2)個人の生涯にわたる主体的な学び直しの促進に関する知識、技能
3)職業生涯の長期化、仕事と治療、子育て、介護と仕事の両立等の課題に対する支援に関する知識、技能
4)クライエントや相談場面の多様化への対応に関する知識、技能
セルフキャリアドックもその一つですが、企業内でのキャリア支援により深く関わっていくことが期待されているのですが、この期待は15、6年前からありました。ただ、当時は、早期退職などのリストラ策の補完として行われる再就職支援が実態でした。キャリア自立も、その頃から唱導されてきました。しかし、それまで当たり前だった終身雇用や年功序列からの転換を象徴する意味で使われていたのではないかと思います。
キャリアコンサルタントが期待されている企業内支援への関わりは、セルフキャリアドックにとどまらず、個人目線ではキャリア開発、企業目線では人材開発、人材育成という視点が欠かせません。また、スキル面でも、相談を中心とするカウンセリングだけでなく、グループワークを進めるためのファシリテーションやコーチングなど、より幅広いスキルが求められます。
確かに、この報告書はキャリアコンサルタントの今後の方向性を示すものだとは思うのですが、現実的には、他のコンサルタントや講師、研修会社など、すでに様々なプレイヤーがいます。この点、ナリワイとしてキャリアコンサルタントを考えるときに大きなハードルになってきます。キャリアコンサルタントのライセンスだけで超えられるものではありません。
キャリアコンサルタント一人ひとり、それぞれに、自分自身の強みを見つける必要がありそうです。