キャリアコンサルタント学習ノート

キャリアコンサルタントの学習記録

キャリコン 試験機関の選択について

昨日、キャリアコンサルタントの登録申請、JCDAへの入会手続きを行いました。

登録申請は、ウェブでの登録の後、書類を送る必要があります。どちらも時間がかかるようなので、正式にキャリアコンサルタントを名乗ることができるのは、しばらく先になりそうです。


さて、キャリアコンサルタント試験について、自分の体験談を記事にしておこうと思います。これからこの試験を受験しようとされている方に、少しでも参考にしていただければ幸いです。


で、先ずのトピックスは、試験機関の選び方です。

以前にも、このトピックスは書きました。

(参考/2017/03/20/JCDAか?それとも協議会か?)

このときは受験前のものでしたが、受験の経験も踏まえ、書いておこうと思います。


JCDAか、キャリアコンサルタント協議会か、どちらの試験機関を選ぶのかは、この試験に臨むにあたって、非常に重要な選択です。実技対策の立て方が変わってくるからです。

この点、養成機関側でも、現時点では混乱されてるんではないかと感じます。

試験機関によって評価項目が違うのですが、私が受けた実技対策では表現が違うだけ、評価されるポイントは一緒だと説明を受けました。技能検定2級との比較で、そういう説明を受けました。

私はJCDAで今回受けましたが、他の方の状況を聞くと、どうも両者の評価には違いがあるように感じます。

確かに、制度上のコンセプトは表現が違うだけなのかもしれませんが、実際、その場で評価する試験官の考えにもよるところが大きいんではないかと思います。

試験官の方お一人おひとりがどのような方なのかは私もわかりませんが、JCDAで言えば、これまでも過去CDA試験を実施してきた経緯があります。JCDAはJCDAの考えがあり、受験生の評価体系もこれまで資格認定を行なってきたなかで蓄積されてきたはずです。


実技対策のとき、私が戸惑ったのは「主訴」という言葉の扱いです。ひとによって、この言葉の使い方がどうやら違うと聞いて、ちょっと驚きました。


「主訴」は、クライエントがほんとうに訴えたいことと理解していたのですが、ひとによっては、最初にクライエントが発したこと、つまり、「今日はどんな相談でいらしたんですか?」に対して、「ちょっと最近しごとのことでモヤモヤしていて、相談したくてきました」、これが「主訴」らしいのです。

私はそれは「来談目的」で「主訴」ではないと理解していたので、少し混乱したのですが、JCDAでは、はっきりと評価項目に「主訴・問題の把握」と表現されていますね。


結局、JCDAで受験する場合は、私が理解していたところで問題ないのですが、協議会では「主訴」という言葉の扱いは違うようです。

ただ、表現の扱いが違いだけで、どちらの試験機関でも、クライエントが訴えたいことをきちんと把握できているのかはしっかり見ていることは間違いないでしょうけど。


今回の試験でも、両者の実技の合格率には差が出ました。その差だけを見て、協議会の方が合格しやすいと考えてしまうのは、どうなんだろうと疑問に感じます。

JCDAでは、養成機関出身者と実務経験者でも合格率が大きく違うのも注意が必要です。


結論として、CDA養成の認定を受けた機関の養成講座を受けた方はJCDAで、それ以外の方は協議会で受けるのが良さそうだ、ということなのですが、もうちょっと、踏み込んで考えると、

・傾聴に自信があるひと→JCDA

・学科に自信があるひと→協議会

と、私は思います。

これは論述の問題を比較してると、双方の試験機関の考え方の違いがはっきりと現れていると思われるからです。

より深くクライエント理解を求めるJCDA、キャリアコンサルタントとして適切な情報提供ができるかまでを求めるのが協議会、そんな感じがします。

例えば、クライエントが話すのを促し、漏らさず聴き、しっかりと伝え返すことで、クライエントが自問自答することによって、何かに気づかせるようにすすめていくことができているかどうかを見ているのがJCDA。

一方で、育児との両立がテーマなら、会社が必ず備えておかないといけない制度が何なのか、任意の制度は何なのかを把握し、クライエントの状況を理解した上で、適切な情報提供ができるか、それを求めるのが協議会。


傾聴重視のJCDA、キャリアコンサルティングのプロセスを重視するのが協議会。

こんなイメージだと思います。


そう考えると、どちらを選ぶかによって、試験対策は、全く異なってきます。


JCDAでの受験を決めた場合、やはり、傾聴スキルをより高めることが大事になりますし、協議会の場合、相談パターンに合わせた知識の整理が必要です。


また、実務経験者にとって協議会のほうが有利なのも何となく理解できます。事例を蓄えてますもんね。それが活かせるのが協議会。逆に、JCDAではその事例があまり使えないので不利なんだと考えられます。


傾聴はどちらの試験機関を選ぼうが評価項目ではあるけれど、JCDAのほうが配点は高く、協議会は情報提供まで見てるので、JCDAほどは高くないと推測できます。


今後、対策講座も試験機関別にコースを設けることが求められます。あるいは、受験生がどちらの試験機関により適しているのかを選ぶということなのかもしれませんが。


試験対策としては、JCDAでの受験を考えているひとはとにかくロープレです。

ロープレで自分のできているところ、できていないところをしっかり把握し、とにかく傾聴スキルの向上に努める。

その際、養成講座の仲間同志だけのロープレで終わらないこと。

きちんと指導してもらえる講師や資格取得者からアドバイスを受けることが必要です。

また、ロープレの後、ちゃんと逐語録を作成すること。

ロープレはやりっぱなしではほぼ意味がありません。今回はうまくできた、できなかったと感覚だけ残ったって、次に活かせません。スキルは繰り返しできてスキル。きちんと自分のクセを細かいところまでチェックし、次はここに気をつけるということを意識しないとスキルは伸びません。そのための手段が逐語録です。

後、私がやって良かったと思うのは、逐語録を想定しながら作ることです。

クライエントがどう発言するのかまで考えて作成する必要はありますので戸惑いはありますが、自分がクライエントであったらと考えるきっかけになりました。


私はJCDA受験なので上記の内容は私の体験談です。

一方、協議会の方は、もし仮に、という前提で、私が受験するとしたらこうするだろうと思うところを書きます。

やはり、ロープレは必須だと思います。ただ、JCDAが傾聴に重点を置くのとは違い、協議会の方はやはり事例検討に重点を置いたロープレが大事だろうなと考えます。その際、学科の知識、特に、労働法や労働経済、雇用施策など、クライエントの相談内容に合わせて適切な情報が提供できるか、知識の活用に重点を置きます。

これは、今回、学科での出題傾向が変わったことも考えると、非常に効率的でもあるのです。ロープレのなかで自分の知識の定着も確かめることになりますから。なので、学科対策も一緒にやれるという利点があります。

とはいえ、クライエントの状況をきちんと把握するという意味では傾聴もおろそかにはできません。そこはしっかりやらないといけませんが、より重点を置くのは面談のプロセスです。クライエントの困り事を把握し、なにが問題なのかを整理して、それに対し対策を考えられるかどうか? 面談の進め方に注意して、より話のまとめ方、展開の仕方に気をつけます。

この場合、受講生同志での学びあいは有効でしょうね。やはり、講師や協議会で合格したひとからのアドバイスは必要だと思いますが、キャリアコンサルタント志望者の経歴は様々なので、むしろ、その方たちの経験から学ぶ意味は大きいと思います。介護の話は実際に介護を体験した話を聴くのが学びは大きいですから。迫力が違います。流行りのアクティブラーニングですね。


いかがでしょう?


少しでも参考になるところはありましたでしょうか?


どちらを選ぶのかは、やはり、自分で、なにが得意かが鍵になると思います。

学科が得意であれば協議会のほうがいいと思いますし、カウンセリングのほうが自信があるのならJCDAかと思いますが。 

それでも、なかなか、自分の実力を見極めるのは難しいですよね。


私も受験申込みした後から、論述対策しながら、協議会のほうが自分は良かったんじゃないかと思ったことがありました。受けていないので何ともいえないところではありますが。

ただ、養成講座修了時に、あなたはクライエントの気持ちに寄り添っていない、質問ばかりでほんとうに聴いてもらっている感じがしないと指摘を受けました。

そんな傾聴スキルが低かった私が、JCDAで受験して合格ラインの90点を優に超える点数で実技は合格しました。

約1カ月半、とにかく傾聴スキルを伸ばすことを心がけた結果だと思います。一方、学科はギリギリでしたけど。


試験はテスト結果が出るまでは、なにが起こるかわかりません。

自分がやれることをひたむきにやる。

それが試験対策だと思います。