キャリアコンサルタント学習ノート

キャリアコンサルタントの学習記録

キャリアカウンセリングのシステマティック・アプローチ

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第2回の学科試験で出題。

でも、教科書では見たことないぞと思っていたところ、木村周先生の「理論と実際」にあった。

ぱっと見、コーチングではないかと感じた。


キャリアコンサルティング 理論と実際 4訂版

キャリアコンサルティング 理論と実際 4訂版




ヘルピング

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カーカフのヘルピングでは、

カウンセラーはヘルパー、

クライアントはヘルピー、

と呼ぶ。

ヘルピーの内面的成長を目的に掲げ、ヘルピーの行動化を目指す。

折衷的・統合的アプローチのひとつであるが、マイクロカウンセリングがメタ理論的であるのに対し、ヘルピングは来談者中心療法と行動療法を組み合わせ、実用的であろうとするところに特徴があるような気がする。

特に、フィードバックを重視しているところにその特徴が見られる。


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マイクロカウンセリングがどちらかといえば教育的側面が強いのに対し、ヘルピングは実際の援助関係の一般化を目的としている。カーカフが、わざわざ、ヘルピングと名づけたのもカウンセリングを超えて広く援助関係を捉えようとしていたからだと思われる。


國分先生は、マイクロカウンセリングを「つぶあん式」、ヘルピングを「ねりあん式」と呼んでいる。




指示的療法とキャリアカウンセリング

ロジャーズは、研修のなかで、カウンセリングの基本として紹介されたが、キャリアコンサルティングのプロセスと来談者中心療法はいろいろと矛盾してないかなとの疑問が消えない。

来談者中心療法は、クライアントの自己成長を促進することを中核とするアプローチで、その技法は傾聴を基本にしている。クライアントが自身で解決策に気づくための関わりをセラピストは行う。

キャリアコンサルティングでは、実際に、クライアント職業を見つけたり、仕事や職場とうまく折り合うなど、具体的な目標にクライアントを促す。キャリアコンサルタントには傾聴技法だけでなく、クライアントの行動を促進していくための実務的なスキルが求められる。

もう1つ、来談者中心療法は、割と数ヶ月、ばあいによっては数年間、クライアントとの関わりが続くことが多いと聞く。キャリアコンサルティングの場合、そこまでのクライアントとの関わりは少ないようで、30分一本ということもある。

最初、ロジャーズは自身の療法を非指示的と呼んだ。だが、キャリアコンサルティングでは、いっさい指示しないということは、むしろ、クライアントの期待に沿わないこともあるだろう。

キャリアコンサルタントにとって、ロジャーズに学ぶことは多い。それは技法としてのクライアント中心療法ではない。クライアントと向き合う態度なのだろう。かつて、河合隼雄は、ロジャーズのいうことはもっともだが、同時に、カウンセラーは何をやればいいのかわからない、と言った。

無条件の肯定的配慮、自己一致、共感を基本的な態度だとしながらも、実際の面談においては様々な技法を展開していく必要があるのだろう。