本谷有希子のぬるい毒
- 作者: 本谷有希子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2014/02/28
- メディア: 文庫
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『腑抜けども』、『自分を好きになる方法』を読んで感じていた言葉を作者自身が書きつけているのを見ると、思わずそうだよね!と嬉しくなる。が、そこは注意して、安易に自分の考えが暴走してしまわないようにしておくべきなのだろう。
こころの襞の表現にはっとさせられる本谷有希子は、もとよりカウンセラーでも、セラピストでもない。
ただ、文章をたどりつつ、そのこころの空白は確かこの理論で説明できるはずだと杓子定規をあてたくなる衝動が走る。が、そっとしておきたい気持ちもあって、言葉の先を急ぐ。わかったつもりはしたくないからだ。
本谷有希子のこころの機微な動きの表現は魅力的であることに変わりはない。