愛すべきふたつのこととは?
愛さなくてはいけないふたつのこと あなたに贈る人生のくすり箱 (PHP文庫)
- 作者: 松浦弥太郎
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2014/04/03
- メディア: 文庫
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知人につられて、初めて松浦氏の本を読みました。
名前は以前から知ってはいたのですが、本のタイトルからあまり読もうという気が起きず。
それが知人のことばから、ひょっとして今の自分にあっているのかもしれないと思って、初めて手に取りました。
確かに。
この本で取り上げられているのは、「孤独」と「不安」です。
読み進めていくうちに、何かわからないモヤモヤが薄まっていく。
自分の中で、ぼんやりと視界を覆っていたものが、だんだんと晴れていく。
そんな感じになります。
松浦さんの文体から、寄り添われている感覚を覚えます。
知人がいっていたのは、これだったんだと思います。
この感覚。
この本がテーマとしているのは、自分自身を受けとめること、なのでしょう。
読者が読み進めていくうちに、あるがままの自分を認め、受け入れていくこと。
それが、この本の意図なのでしょう。
松浦さん自身は編集者、文筆家を職業とされていますが、その文体からはカウンセラーの物腰が見えます。
ゆっくりと、寄り添うように、眼差しを向けながら、柔らかいことばで問いかけられている、そんな雰囲気を松浦さんの文体は醸し出しているのです。
そんな文体に乗せられたことばの語りかけてくることに耳を澄ませているうちに、いつの間にか、読み手である自分が自分自身に問いかけていることに気づきます。
こうした自問自答を促す文体は、そうそう、ないです。