キャリアカウンセリングで、問題解決がまずい理由
「経験代謝」によるキャリアカウンセリング―自己を見つめ、学びを得る力
- 作者: 立野了嗣
- 出版社/メーカー: 晃洋書房
- 発売日: 2017/07/01
- メディア: 単行本
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キャリアコンサルタント試験で、JCDAを選択する場合、「問題解決」はまずい方の分類に入ります。それには気づいていたのですが、その理由ははっきりわかりませんでした。それが今になって、そういうことかと合点がいく、一文を見つけました。
「人」に関心を寄せ、「経験」を観る。これが、キャリアカウンセリングを進める上での初めの一歩です。p.95
経験代謝では、人と経験一体として問題と考えます。
問題を人から切り離しては考えないのです。
ある経験を問題と考えるのはクライエントそのひとです。別の人が同様の経験をしても問題と、考えないこともあります。
そのため、キャリアカウンセラーは人に焦点をあてます。
「問題解決」の場合、問題をひとから切り離して、一般化してしまうことになります。
人に焦点をあてる経験代謝は、むしろ、その人の個別性に注目します。
たとえば、「今の仕事が面白くなくて、転職を考えています」というクライエントが来ました。
このとき、「そうですか、転職を考えてらっしゃるんですね」と問題を転職として一般化してしまうのか。
「何かあったんですか」と、どんな経験があったのかに焦点をあてるのか。
一般化してしまうことにクライエントがほんとうに話したいことがあるのかどうか。