アドラー「生きるために大切なこと」を読む
- 作者: アルフレッドアドラー,Alfred Adler,桜田直美
- 出版社/メーカー: 方丈社
- 発売日: 2016/09/23
- メディア: 単行本
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読み進めていくと、軽いデジャブのような感覚が湧いてくる。
劣等感や共同感覚など岸見さん、向後さんを通じて知らないわけではなかったが、サビカスを読んだ後にアドラーを読むと、岸見さん、向後さんの解説やキャリアカウンセリングとがつながっていく感覚を覚える。
初心者の感覚として記録しておきたい。
このような感覚は初めてではない。
集中して読んでいると、そこに書かれていることと誰かとの比較をしたり、誰かを想起したりすることはよくある。アドラーを読みながら想起したのは、岸見さん、向後さんだけではなく、家族だったり、高校の同級生だったり、今の職場の同僚だったり、過去の自分のエピソードだったり、本谷有希子の「腑抜けども」に出てくる自称女優の姉。で、それら全体がアドラーの文章に包み込まれている、という気がする。なんか、カウンセリングを受けているような気分。本格的なカウンセリングをうけたことはないけど。
サビカスが、キャリアインタビューの質問に幼少期の思い出を加えているのは、正にアドラーに依拠してのことだったんだ!
アドラーのこの本では、「人格の原型」という言葉が繰り返し出てくるが、それが物事の解釈のルーチンをつくり、それが生き方を形作るというのは、幼少期の思い出の理論的背景にある。
ただ、アドラーも、サビカスも指摘するように、その取り扱いには充分注意しないと、激しい抵抗にあうというのもその通りだろう。
また、それだけに容易にそれに辿り着くことも難しい。
ちなみに、この本は、個人心理学講義というタイトルで、岸見一郎訳がすでにあります。