キャリアコンサルタント学習ノート

キャリアコンサルタントの学習記録

2つのかかわり方とその変化

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平木先生は、システム論を踏まえ、サイバネティクスの考えを取り入れ、2つの変化を意図したかかわり方を区別している。

1つは、症状や問題の解消によって、今生じているシステムの不安定な状態を安定な状態へ移行させようとするかかわり方。元の状態に回復させようとするかかわり方である。

もう1つは、症状や問題を取り込む形で、システムそのものを作り変え、新たな状態へ刷新しようとするかかわり方である。

これらふたつのかかわり方は、時と場合によって選択されるものであり、どちらに優劣があるということではない。

システムは、ここでは、クライアントが生きている環境を指すとともに、症状や問題を生じさせているメカニズムを意味すると考えられる。システムはダイナミックに変化し続け、クライアントの心理や社会的立場に様々な影響を及ぼしている。クライアントは様々なスキルを駆使しながら、ネットワーク上のリソースを活用しながら、システムの影響に対処し、折り合いをつけながら暮らしている。

システムは変化し続けているが、その変化には、クライアントにとって予測可能な変化もあれば、予測できない変化もある。どちらの場合でも、折り合いをつけることにつまずいてしまうことが起こりうる。

そのつまずきが問題や症状となり、クライアントに様々な負担を与える。この負担をもたらす問題や症状へのかかわり方に、システムの安定を回復するものと新たなシステムの構築を目論むものとがある。


結構、抽象的なことをいっているようだが、これはシステムがそもそもいくつかの階層に分かれ、それぞれの階層のシステムが複雑に絡み合うという認識があるから。その前提に立てば、じつは、平木先生は、複雑な日常への対処を非常にシンプルに表していると考える。