経験代謝について で、どうすればよい?
かつて、河合隼雄がロジャーズの必要十分条件について、これだけではどうすればいいのかわからないと書いている。
受容、共感、一致はたしかにそのとおりなのだが、では、どうすればそれらができるのかについてはなにもロジャーズは言っていない。
経験代謝にも同じことが言えるのではないか?
そう考えると、養成講座でマイクロカウンセリングを学ぶのは、経験代謝には手法そのものが存在しないからだと思われる。
いわば、経験代謝を起こすためには、どのようなカウンセリング手法も心理療法も適用できると考えていいのではないか?
経験代謝がクライエントの心的過程であり、その心的過程の作動を促すのがキャリアコンサルタントであるならば、キャリアコンサルタントはどんな手法や心理療法をつかってもいい。そのために、精神分析や行動療法など幅広くカウンセリング理論を通覧するのだから。
経験代謝はあくまで一般的な水準での仮説なので、ここのクライエントに対してはそれを補完する考え方と手法を取る必要がある。
なにせ、経験代謝にはサイクルを回すための心がけしか書かれていないのだから。