面談イメージとスキル
キャリアコンサルティングでも、ロジャーズのクライエント中心療法が強調されることが多いのですが、私は正直、そこにずっと違和感があり、最近、やっと整理がついてきたと感じています。
だって、キャリアコンサルティングでは、意思決定や方策の実行などがプロセスとして求められますが、クライエント中心療法にはそんなものはありません。
ロジャーズは、いわゆる、受容、共感、一致をクライエント中心療法の特徴だと言ってはいないことをあらためて再確認したこと。そして、動機づけ面接法なり、解決志向アプローチなり、その他カウンセリングやサイコセラピー一般で、インテークでは傾聴が非常に重視していること。
この2点の気づきから、だいぶ自分の中に腹落ちしてきました。
そこで、動機づけ面接法や解決志向アプローチ、あるいはナラティブアプローチなどを見ていくと、ロジャーズの中核条件を軸に、キャリアコンサルティングのプロセスに沿った形で、いろいろなスキル、技法が使えそうだと言う気がしています。
面談のイメージそのものは変わらないのですが、そこでどのようにスキルを展開していくかで、試しに整理して見ました。
面談は、コンサルタントのクライエントに対する全面的な好意的関心によるかかわりから、良好な人間関係が出来上がる、このようなプロセスを軸に展開されます。
そこで、コンサルタントに促されて、クライエントが存分に語ることで、クライエントのなかで、自分がほんとうに悩んでいること、困っていることが何なのかが次第にはっきりしてくる。
それを上記の図では、「主訴」と表現しています。
この主訴はクライエントが腹の底から相談したいことですが、一方、問題はコンサルタント視点でのクライエントの問題です。
それを共有したうえで、どうしようかという方策を考えます。
このような面談をすすめていくなかで、コンサルタントが繰り出す技法をまとめると、つぎのようにまとめられます。
1つ1つの技法は、あらためて書きますが、中心となるのは、促す→聴く→伝え返すの繰り返しです。
この間、ずっとクライエントに焦点を当て続けていきます。
クライエントの話だけではありません。
言葉も含め、表情やしぐさなど、つまるところ、クライエント全体に温かく、意識を集中させます。
傾聴はクライエントを理解するためにやる。
そこに全身全霊を傾ける。
基本はそこにあるんじゃないかなあ。