キャリアコンサルタント学習ノート

キャリアコンサルタントの学習記録

動機づけ面接法(4)4つの指針

動機づけ面接法には、RULEと呼ばれる4つの指針があります。

R resist 気持ちに逆らって抑制する

U understand 理解する

L listen 傾聴する

E empower 勇気づけ励ます


Rは、特に両価性にどのように対処するか、ということだと思います。専門家がその立場で発言すればするほど、クライエントからの抵抗に遭う。例えば、無職で就活する気もないひとがいたとして、「いつまでもそれだとダメですよ、ちゃんと就活しましょう」といったところで、「そんなことはわかってますよ、でも…」と就活できない理由を並べられるか、押し黙ってしまうか。

キャリコンのロープレでも、自分の価値観で提案やアドバイスしたくなるという場面に会うことがありますが、そうしたくなる気持ちを抑えましょうというのが、このRだと思います。そこには心理学的な裏付けがあるんですね。ひとは自分自身の言葉を聞いて、それを信じる傾向がある、それによって現状維持により固執する。自己成就予言と言われる心理がそこに働く。

では、どのようにクライエントに接すれば良いのか?それが、ULEです。理解する、傾聴する、励ます。


クライエントが持つ考えや気持ちの両価性を受け入れ、理解し、クライエント自身が答えを見つけだせるように傾聴によって促し、その答えを実現できるようにクライエントを励ましていく。

このことじたいは、クライエント中心アプローチとあまり変わらないと思います。ただ、キャリコンの場合、特に参考になるのはRではないでしょうか。

ロジャーズの中核条件では、セラピストは何かの専門家である必要は求められていません。ところが、キャリコンはキャリアの専門家であり、医者は医療の専門家であったりするわけです。動機づけ面接法が、Rを指針にしている意味はそこにあります。わざわざ、専門家であることを否定するような指針をあげているのは、そこに専門家としての誘惑や義務感や自負などがかえってクライエントの変化の障害になるおそれがあるからです。

これは、解決志向アプローチが、クライエントは専門家であるという対等性を強調しているのと共通するところだと思います。

ただし、一方で、専門家は専門家としての役割や機能を果たさないわけにはいきません。それを期待されているわけですから。