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キャリアコンサルタント学習ノート

キャリアコンサルタントの学習記録

組織と個人の相互作用について

キャリアにはアップもダウンもない、と言われる。要は、キャリアは生き方の問題であって、外部的には環境適応ができているか、できるかという評価はあり得ても、その生き方がいいかどうかは、本人以外には判断できない、ということなのだろう。

同じように、組織についても、この組織がいいか悪いかはその組織に属しているひとたちが個々に判断することだと思う。ただ、キャリアのような個人が判断するのと違うのは、組織には集団心理が働くことだ。そのため、個人の認知とは別に、「この会社って」という認知が生じることになる。組織の個々のメンバーによるコミュニケーションのなかで、そうした認知が生じていくのだが、このような認知の集合が一定の強制力を保ちながら、個人へ働きかけていくと、行動規範や組織文化というものを構成していくのだろう。

ただ、そうした行動規範や組織文化は必ずしも意識されるものではない。

「なんで、こんな仕事の進め方をしているのだろう」と疑問が生じたとしても、その疑問から一歩踏み込んで意識されない行動規範を意識するためには、それなりの知力や体力、そして勇気が必要だ。たいてい、「マニュアルに書いてあるから」、とか、「上の指示に従っているだけだから」と、自分を納得させている。そんなところから、ストレスを溜め込んでいくのではないか?確かに、マニュアルや上の指示にストレスを感じながら、日々、納得しきれない思いを抱え続けるのはしんどい。時にはガス抜きが必要だ。だが、個人ができることには限界がある。

こうしたネガティヴな状況は伝播する。それが、また、集団心理の働きのなかで、組織の雰囲気を醸成していく。ネガティヴ感情に支配されると個人は周囲が見えなくなり、現実的な対処ができなくなる。同じように、組織がネガティヴ感情に支配されると業務は止まってしまう。そこまで行かなくても、ミスや事故が起きやすくなる。

ミスが起きた時に、「担当者の不注意」と言って個人の責任にしてしまうことがあったりするが、必ずしも、そうとは言えない。

組織としてミスや事故を誘発しやすい状態にあるのではないかと、まずは疑うべきだ。

劣化していく組織の特徴は、ミスや事故の責任を個人に転嫁させてしまうことだ。個人の資質やスキルに転嫁することは簡単だが、そのこと自体が、組織としてのほんとうの課題を隠ぺいしてしまう。なので、根本的な対処が行われないまま、ミスや事故が続々と起きる。

いうまでもなく、ミスや事故は、業務としては手戻りのため、それに対処する人たちを疲弊させる。そして、バタバタとひとが倒れていく。

そうした状況にあっても、根性論で片付けてしまうひとはいる。だが、根性論はある程度はひとを鼓舞することはあっても、真の課題を隠ぺいしてしまうことにつながりかねない。

バタバタとひとが倒れていくために、組織としてのリソースはいっこうに充実していかない。組織としての強みが形成されず、成長力が失われる。そうして、マーケットへの適応もできなくなっていく。

ミスや事故が起きたときにそれを個人の責任に転嫁していないか、根性論で社員に業務を課していないか、それが行動規範や組織文化のレベルで染み込んでいないか。個人一人ひとりの発言をきちんとアセスメントする必要があるように思われる。