アドラー心理学の理論
個人の主体性は、責任と一体だ。
なので主体性は自立とも言い換えられる。
また、自立には自律が伴う。自律、つまりセルフコントロールができてこそ、自立していることになる。
「すべては私が決める」とは、そういうことだ。
それを前提に、目的論、全体論、社会統合論、仮想論によって構成されているのが、アドラー心理学である。
全体論は、個人は分割できない、なので、意識も無意識も統合されている。自己受容につながっていく。
社会統合論は共同体感覚へ、目的論はライフタスクへつながる。
仮想論はライフスタイルを支える議論である。それは、最近の社会構成理論の源流と言えるのかもしれない。
大事なのは、それは常に現在の認知だということだ。
語りと物語は区別しなければならない。
物語はむかしのことではあるが、語りは現在に行われる行為である。
「むかし、俺も悪くてさ、いろんなことしてたよ、たとえば、、、」と語られる内容は、確かに語り手の過去のエピソードだが、それを語り手は今語っている。
なぜこの区別が必要かというと、語られる内容は、いまそれを語っている語り手の現在の意識によって語られるからだ。
なので、聴き手が違えば、その内容の強弱も変わるだろうし、そもそもそんな話はしないかもしれない。
このとき、語り手に対して抱く印象は聴き手によって異なるだろう。
仮想論は、ひとの世界観もひとそれぞれ異なることが前提であると同時に、したがって事実というのもひととひととの間で構成されることを示している。
アドラー心理学は、サビカスのキャリア構成論を理解する手がかりになる。
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