カウンセリング理論の数々
カウンセリング理論には数多ある。
精神分析、認知行動療法、そして、ロジャーズの3つがそのなかでも大きい存在であり、先ずは、この3つを押さえたあとで、比較対照しながら他の理論を押さえていくのが効率的なのだろう。
ただ、カウンセリング理論はサイコセラピーの理論でもある。というより、サイコセラピーの理論をカウンセリングに応用していると考えられる。
精神分析や認知行動療法、ロジャーズにしても、精神疾患に触れられないことはない。
精神分析ならヒステリーや神経症、認知療法ならうつ病とか、ね。
でも、キャリアコンサルタントはセラピストではない。しっかり訓練を受け、必要な技能を身につけ、自分の行為にせきにんがもてるのであれば、サイコセラピーをやっても問題はない。日本ではサイコセラピーに対しての規制は、今のところ、ないから。ただ、キャリアコンサルタントの専門領域ではない。
では、これらサイコセラピーの理論をカウンセリング理論として学ぶというのは何を意味するのか?
これって、結構、深い問いだと思うのですが、いかがでしょうか?
ところで、カウンセリングには、アイビィのマイクロカウンセリング、カーカフのヘルピングといった技法があります。
なので、技術として、実際にはそれらを習得していくことになる。
マイクロカウンセリングは、かかわり技法、積極技法として、ひとつひとつの技法が体系化されており、技法単位でトレーニングを重ねていく。
マイクロカウンセリングじたいは、数多あるカウンセリングから技法を抽出してつくられており、語弊があるかもしれないが、素人をカウンセラーに育成するためのものだ。
相づち、いいかえ、要約などの技法を、トレーナーがやってみせ、やらせて見せて、振り返させて、というのをロープレを通じて、身につけていく。
このような技法のトレーニングは体系化されている一方、カウンセリングの一般理論というものは存在しない。こなあたりの事情がややこしい。
大学の演習を受けたとき、自分にあったセラピーを集中して学ぶことが大事だと教わった。そのためには、どんなセラピーがあるのかを知っておく必要がある。
とすると、最初にこんなセラピーがあるよ、こんな考え方があり、こんなやり方があるよとひととおり、知っておく方がよい。
キャリアコンサルタントの教科書だけの知識で精神分析ができるようになったり、認知療法が使えるようになることはないが、それぞれの理論や実践方法についてポイントを押さえておくことで、自分に適した理論を選べるようになる、というのが大事なのかもしれない。