キャリアコンサルタント学習ノート

キャリアコンサルタントの学習記録

キャリアコンサルタント試験合格体験記(6) 面談スキルの向上のために

前にも書いたかもしれませんが、養成講座だけでは実技試験に確実に合格することはほぼないと思われます。すでに高い傾聴スキルを持っている方であれば受かるのかもしれませんが、そうしたスキルを持たない人が養成講座の限られた時間で、実技試験に合格するのはよほどの幸運としか、私にはかんがえられません。

そう考える理由はいくつかあります。

ひとつは、試験の15分というロープレを養成講座ではほぼやらないからです。

また、逐語録は作成はしましたが、自分のクセを細かくチェックしていただける機会があまりないからです。

さらに、事例を掘り下げるということもしませんでした。

中間試験、修了試験のフィードバックはあっても、話しやすい、人柄が出ている、と漠然として、具体的な改善につながるアドバイスはあまりありませんでした。

 

限られた時間で、厚労省が指定するカリキュラムをこなすには、ロープレを十分にやれる時間は取れないのかもしれません。

 

ただ、これらは私の経験でしかないので、人によっては違うのかもしれないですね。

 

とはいえ、やはり、ロープレは数をこなすことに越したことはありません。

 

早めに、ロープレの時間を設定するようにしましょう。

その際、講師、チューター、あるいはそのスクール出身の合格者など、誰かアドバイスしてくれるひとを探し、お願いしましょう。

レコーダーは必須。

ロープレをやったら逐語に落とす。

逐語を誰かに添削してもらうのも勉強になります。講師に頼んでみましょう。

15分のロープレに早めに慣れておくことです。

できれば、どちらの試験機関で受けるかも早めに決めておけば対策も立てやすいですね。

試験対策は、養成講座が終わるのを待つ必要はありません。

私の場合、指導いただいたことも素直に受け止め、自分なりにこうやればいいんじゃないかと整理できたのは試験前日でした。

このブログで、何度も更新してきた次の図です。

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養成講座修了後、あたふたしつつ、アドバイスを受けながらわかったことは、 受容、共感、一致、つまり、ロジャーズの必要十分条件をできるようにすること。しっかり傾聴すること。

面接実技は、初回面接という場面設定で行われますが、そこでの一番の目標はクライエントと良好な人間関係を結ぶことです。

そのためには、まず、コンサルタントはクライエントといる間、ごまかさない、思っていないことは言わない、そうした態度でいることが必要です。そして、クライエントをひととして受け入れ、クライエントのことばやしぐさをそのまま受けとめる。そして、クライエントが話したことやしぐさから感じとったことをしっかり伝え返してあげる。そのうえで、私はあなたのことを理解できてますかと確認する。

まとめると、クライエントから気持ちを離れさせないということになります。

気持ちを離さず、とにかく、クライエントを理解することに徹する。

私が試験で心がけたのは今書いたことです。


面談の間、コンサルタントとしてやることをまとめたのが次の図です。


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結局のところ、コンサルタントとしてやることは、クライエントに存分に話してもらうように働きかけること。それをしっかりと聴くことなんですね。

クライエントに話を促す、クライエントの話を聴く、聴いたことを伝え返す、この繰り返しです。それを何回か繰り返した後、話をまとめます。

試験時間の15分だと、だいたい、話をまとめるかどうかというところで終わりです。主訴を確認できるかどうか、というところでしょう。

試験では、ロープレのあと、すぐに口頭試問に移ります。そこで、クライエントが訴えたかったことは何か、つまり、主訴ですね、そして、キャリアコンサルタントとして見たクライエントの問題は何か、今後、この面談をどのようにつづけていくか、といったことをたずねられます。論述の設問と似た内容です。そのためには、それに答えられるように備えておく必要があります。

言い換えると、ロープレは途中で終わっても、キャリアコンサルタントとしてあなたはクライエントのためにどんな支援ができますかと聴かれているんですね。


ロジャーズの受容、共感、一致は、大学のスクーリングでもやりましたし、養成講座でも学びました。ただ、あまり意識してロープレをしたことはありませんでした。なので、今回、あらためて、ロジャーズの言っていることはなんなのか、どういうふうにやればいいのかを自分なりにまとめました。それが結果的にうまくいきました。


他の記事でも書いたように、私はJCDA受験なので、これが協議会でも通用するのかどうかはわかりません。おそらく、今の時点で考えると、少し違うアプローチを取るだろうとは思います。


 

 

 

キャリアコンサルタント試験合格体験記(5) 養成講座の雰囲気

さて、キャリアコンサルタントの養成講座には、クラス内に独特の雰囲気が生まれます。なぜかというと、特に、応用実習では自己開示する機会が多いからだと思います。クラスによっては非常に強い連帯感が結ばれることもあります。ただ、すべてのクラスがそうだとは限りません。

応用実習では、面談のロープレもやりますが、自身の自己理解のワークもやります。ジョブカードも作ります。そうした機会で、おそらく、ふだん話さないようなことを話すこともあります。

そういう意味では、資格取得ということをちょっと脇に置くと、養成講座は自己理解のためと考えられそうです。

カウンセラーには深い自己理解が求められています。それは自分のありのままを受け入れていなければ、クライエントを受容できないからです。

これ、何のことか、ピンと来ますか?

頭では理解した気になってしまうのですが、これ、体験してみないと理解できないことだと思います。私は、今は、理解したとは言えない、だけれど、だんだんと理解に向かってるような気がします。というのは、ひとを以前よりは許せるようになったと気づいたからです。最近は少し前戻って来たと感じることもあります。

 

具体的には言えませんが、ふだん打ち明けないような話をすることで、独特の親密さが生まれてくることは確かです。

 

その意味では同じ資格取得を目指す仲間意識が生まれやすいと言えるでしょう。

そういう雰囲気が心地よい人もいますし、苦手な人もいるでしょう。

ただ、どちらでもよいのです。無理をする必要はありません。

ただ、そこで自分の好きに過ごして良いのです。

 

 

キャリアコンサルタント試験合格体験記(4) 学習を開始する

養成講座は、講座によって、理論は通信、実習は通学というところもあれば、すべて通学という講座もあります。通信もDVDがおくられてきたり、ウェブで学習するものもあります。

私の場合は送られてきたDVDで理論は学びました。これは実際の授業を録画したものでした。実習は年明け1月から3月まで週2回、平日夜通いました。平日夜の通学は、仕事終わりということもあり、結構、疲れます。なるべく早く会社を出るようにはしましたが、業務都合で間に合わないこともあります。それでも遅刻してでも通ったのは修了条件に出席率があったからです。

 

理論学習が一通り終わったら、学科の過去問を解きましょう。

最初は、合格ラインの70点が取れなくても、全然気にする必要はありません。

むしろ、大事なのは、自分の得意なところ、苦手なところを把握することです。

得意なところは、より確実に点数をとるために知識を広げていきます。興味があるところは参考文献に手を出しても良いでしょう。

苦手なところはテキストをまず理解することを心がけましょう。

得意なところは、すでに頭の中に知識のネットワークが出来上がっているので、色々手をつけていくことで、より知識の幅も理解の幅もひろがっていきます。

逆に、苦手なところは、色々と手を出すことでかえって混乱してしまう可能性があります。とはいえ、どうもテキストが理解できん、というときは、極力、安くて薄い入門書を手に取るのはアリです。

キャリアコンサルタント試験の学科は、学問分野で言えば、心理学から経営学、教育学、社会学労働経済、労働法、労働行政と非常に幅広く問われます。なので、どのあたりから出題されそうか、というあたりをつけながらやらないと非効率な学習になりやすいのです。効率よく学習するためには過去問を解き、出題ポイントを把握することが鍵になります。

ただ、第4回の試験では学科の難易度が一挙に上がってしまいました。出題比率も変わり、労働行政分野の問題が増えました。私は、今回の試験ですべて網羅されたテキストは見たことがありません。むしろ、私が養成講座で学んだ教科書には出てこない問題が結構、出題されていました。

学科試験もそれなりに時間をかけないと通らない試験になったということなのか、そうでないのか、私にはわかりませんが、教科書以外の参考文献もできるだけ目を通すことが必要なのは確かでしょう。そのためにも、自分の得意なところ、苦手なところを見極めが大事になってくると思います。

私は、大学で心理学をやっていて、スクーリングで、カウンセリングやコミュニケーションスキル、アセスメントを学習してきたので、この分野については非常に楽でした。一方、労働法や労働経済は弱かった。特に労働行政については厚労省の資料を読んでおかないと解けない、と感じた問題が出題されていて、試験時間の間、とても焦りました。試験が終わった後は受かった気がしませんでした。

厚労省の資料は揃えるのも、読み込むのも時間がかかります。今後、各養成講座でもサマリーを提供してくれると、ただでさえ時間のない受験生は非常に助かりますね。

 

学科試験は択一なので出題形式にも慣れておきましょう。

正解を一つ選ぶ、間違いを一つ選ぶ、正しい文の個数を答えるなどパターンは限られています。また、この形式は知っていないと解けないかというと、そうとも限りません。持ってる知識を活用することで、知らなくても解ける問題もあります。

数字の問題もトレンドを押さえることで、正解を導き出せる場合もあります。

試験でそうした応用を効かせられるようにするに暗記はやめましょう。

語呂合わせは記憶の定着に都合いいのですが、単なる暗記は知識がつながっていかないので応用が利きません。なので、これまでと違う形で出題されると知っているのに解けないということにもなりかねないのです。

第4回試験で、私が失点した問題のなかで、翌日発表された正解のなかで、納得がいかない解答がいくつかありました。中には後日修正されたものもあったのですが、納得いかない問題の解答を確かめたなかで、問題文がある本の一節丸写しのものがありました。そして、私はその同じ箇所を丁寧にもマーカー付けていたのでした。

うろ覚えでは学科の問題は解けないということだと思います。

やはり知識は正確に定着させておきましょうね。

 

 

 

キャリアコンサルタント試験合格体験記(3) 養成講座を選ぶ

養成講座は慎重に選びましょう、と先に書きました。

ここでは、そのためにオススメする作業、受験者側で注意しておきたいことを書きます。

講座の資料は、できるだけ集めましょう。

集めたら、エクセルで比較表を作成しましょう。

 

比較表の項目は、例えば、

  • 通信か通学か
  • 開催日程
  • 教室の場所
  • 費用
  • 講座の内容
  • 使用テキスト
  • 講師のラインナップ

他にもあるかもしれません。適宜追加削除してください。

項目を決めたら、自分でこれは大事だという項目に重み付けしておきましょう。

土日は通えないということであれば、開催日程は限られますし、費用はできるだけ押さえたいのであればそこを重視して比較していくことになります。

各講座の資料かr比較表に落とし込んだら、漏れはないか、確認しましょう。

自ずと、この時点で、説明会に参加する講座は絞り込まれるはずです。

講座の資料で講師の名前が記載されているのなら、googlefacebookなどで検索してみましょう。どういう仕事をしているひとなのかをしらべておき、説明会で会えるかどうか、会えるんであれば話を聞いてみましょう。

講師の質が講座の質と言っていいくらい、重要なポイントです。

ただ評判がいいから、というだけではなく、自分との相性も大切です。

なので会って話ができるならそうした方が良いです。

比較表の作成は各講座の特徴が一覧して見れるという利点と、どの講座が自分にとってムリがないのかを見つけるのにも便利です。説明会に参加したときに、自分が確認しておきたい事もはっきりします。

また、講座選びのポイントになることとして、いつの試験を自分は受けるのかということも大事です。それによって、時間の使い方が変わってきます。

私の場合、申し込んでから受験まで1年でした。実のところ、第3回試験を受けたかったのですが、講座が満員で空きがなかったのです。

試験日程は、各試験機関のホームページで掲載されているので早めに確認しておきましょう。いつの試験を受けるのか、おしりが決まればそれまで、どれくらいの時間があるのかが決まります。その間、仕事や家庭などと養成講座に通い、学習する時間を調整する必要があります。このあたりのことはまた次回。

 

 

 

キャリアコンサルタント試験合格体験記(2) 資格取得の意志を固める

資格を取ると決めるには、まず、その資格に興味をもったきっかけがあったはずです。

新聞で取り上げられていたとか、たまたまキャリアコンサルタントと知り合った、あるいは、転職の際に非常にしんみになって話を聴いてくれたなど、ひとそれぞれにキャリアコンサルタントに興味をもったきっかけがあったと思います。

私の場合は、大学のスクーリングで、やたらとロープレをやってほめられたことで、カウンセリング関連の資格を取りたいと思った、というのが元々ありました。ただ、ダイレクトにキャリアコンサルタントに興味をもったのはこの資格が国家資格になったということでした。少子高齢化社会のなか、いかに生産性を高めていくかという国家的な命題がかかげられ、また、国をあげてキャリアコンサルタントを増やしていく計画のようだと知って、この流れは大きな流れであることは間違いないし、今後、期待がもてる資格かもしれないと考えたのです。

こうしたきっかけがあって、資格について調べていくのですが、こうした行動につながるのは、何か自分のなかに課題があり、その課題がこの資格を取ることで解消されるような、そんな期待感を感じているからでしょう。

キャリアコンサルティングのプロセスで、一番最初に自己理解を深めることが位置付けられていますが、資格を取ろうと決める際にも自己理解はとても大切なステップになります。

私の場合は、上記のスクーリングによって、カウンセリングをやりたいという思いはありました。ただ、どこかでこの年齢で一から何かを始めるというのも億劫な年代です。ただ、私が今勤めている会社には退職金がありません。年金制度に対しての不安も抱えています。このまま今の会社につとめていたところでその先が見えません。会社の経営方針にも納得がいかないところがあります。そうした、将来に対しての漠然としたモヤモヤ感。それを抱えていたところでのキャリアコンサルタントの国家資格されるという知らせ。


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受けるかどうしようか?


この選択にあたっては、その資格を取ることでどんなことが期待できるのか、ということと、一方で、取れますか?という、2つの問いがあります。

どれだけ魅力に感じていても、やり切れる自信がなければあきらめることになるだろうし、やり切れるとは思うけれども、取ったところで役に立つことがないなら、時間やお金を使う気にはならないはずです。

資格に対する魅力もやり切る自信もひとそれぞれでしょう。知識や経験がなくても、とにかく取るんだという気持ちの強さで、試験まで乗り切るひとはいますし、能力はあってもそこにかける余裕がないというひともいるはずです。

そう考えると、資格を取ろうと決めるにも、いろいろと制約はあるのです。

お金の面、時間の余裕、これまでの経験、知識、場合によっては家族のことも考えないといけない。仕事のことも気にかけないといけない。

ここで、どれだけ真剣に考えていたかで、資格取得への動機の強さが変わってきます。動機の強弱で合格まで乗り切れるかどうかが変わってくるのです。

そして、これは自分で決めるしかありません。ほんとうに自分が納得して、自分で決めたことはそうそう諦めないものです。自己成就という心理が働くからです。

ひとからすすめられて、というだけではそこまでのモチベーションは長続きはしません。


キャリアコンサルタント試験合格体験記 (1) 合格までの道のり




キャリアコンサルタント合格までの道のりを、私の体験をベースにしながら整理していきます。

全体としての大まかな流れは、どの資格を取る際も同じだと思いますが、次のような流れになります。


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スタートは、この資格を取ると決めるところからですね。

受験資格にもよりますが、実務経験がない場合、厚労省指定の機関で養成講座を受けることが必須になります。ここは、社労士や税理士とは異なるところですね。むしろ、AFPに近いです。

養成講座修了によって受験資格が得られることになります。

そして、試験を受けて、一定の点数をクリアすれば合格。

大まかにいうとこんな流れです。


では、次回からひとつひとつ説明していきます。


養成講座、試験対策講座の選び方

キャリアコンサルタントを目指そうとする際、実務経験受験する人以外は、まず養成講座を受講することになります。

この養成講座は、決して金額の安いものではありません。また、そうそう乗り換えるわけにもいかないので慎重に選んでおきたいものです。

この養成講座は建前上、厚労省指定という肩書きがつくので標準的なカリキュラムに則った形になります。ただ、使われる教材は養成講座によって違います。

私が選んだ養成講座はJCDAのCDA養成を永くやってきた、そこでの合格率に高い実績がありました。

そして、JCDAが試験機関であることもあって、試験対策も有利だと聞いたからです。

説明会に参加しその話を鵜呑みにして決めました。

他の講座も資料は取り寄せましたが、試験に有利という点で、話を聞きに行くことはしませんでした。

今では、やはり、話は聞いておくべきだったと感じます。


実際に受験して、有利な点は何もありませんでした。

学科は、今回、たくさんボロボロ落ちている人がいて、私自身、ギリギリでした。

この養成講座は、学科対策と直前模試がセットでした。学科対策は出題傾向は外しているし、直前模試では合格に達していたひとが今回軒並み落ちているのです。

また、オプションで参加した面接対策でも、具体的な試験に向けてのアドバイスはほぼありませんでした。


養成講座と試験対策はセットになっていることが多いため、養成講座を受けた人は同じスクールで試験対策を行うことが多いと思います。

確かに、養成講座は試験対策講座とは違うのです。ただ、養成講座はそうはいっても、キャリアコンサルタントを養成するためのものなのですから、しっかりと知識やスキルを身につけられるところを選ぶ必要があります。

そのためには、やはり、情報収集は欠かせません。必ず、比較検討は、資料だけではなく、説明会にも参加して行いましょう。何なら、実際に指導していただく講師と会ってみたいというのもありです。

私の場合、養成講座だけでは傾聴スキルは身につきませんでした。ただ、感覚的に、できているときとできないときの差が大きいと感じていたレベルです。

そのため、別に指導していただける方を探し、その方のおかげで、何とか合格までたどり着きました。

もしかしたら、養成講座選びによって、別の期間で受講していれば、そのような手間は必要なかったかもしれません。

もちろん、指導いただいた方との出会いは非常に大きいので、たらねばの話でしかないのですが。

そう考えると、しっかり指導してもらえるひとがいれば、講座はどこでも構わない、ということかもしれませんね。

また、そういう方は、なかなか身近にいることも少ないと思います。

であれば、養成講座選びはきちんと、慎重に選びたいですね。


キャリアコンサルタントをテーマにしているため、このブログでも広告が出てきますが、勝手にでてくるものなので、私が書いている記事とは何の関係もありません。念のため。