キャリアコンサルタント学習ノート

キャリアコンサルタントの学習記録

キャリアコンサルタント試験合格体験記(4) 学習を開始する

養成講座は、講座によって、理論は通信、実習は通学というところもあれば、すべて通学という講座もあります。通信もDVDがおくられてきたり、ウェブで学習するものもあります。

私の場合は送られてきたDVDで理論は学びました。これは実際の授業を録画したものでした。実習は年明け1月から3月まで週2回、平日夜通いました。平日夜の通学は、仕事終わりということもあり、結構、疲れます。なるべく早く会社を出るようにはしましたが、業務都合で間に合わないこともあります。それでも遅刻してでも通ったのは修了条件に出席率があったからです。

 

理論学習が一通り終わったら、学科の過去問を解きましょう。

最初は、合格ラインの70点が取れなくても、全然気にする必要はありません。

むしろ、大事なのは、自分の得意なところ、苦手なところを把握することです。

得意なところは、より確実に点数をとるために知識を広げていきます。興味があるところは参考文献に手を出しても良いでしょう。

苦手なところはテキストをまず理解することを心がけましょう。

得意なところは、すでに頭の中に知識のネットワークが出来上がっているので、色々手をつけていくことで、より知識の幅も理解の幅もひろがっていきます。

逆に、苦手なところは、色々と手を出すことでかえって混乱してしまう可能性があります。とはいえ、どうもテキストが理解できん、というときは、極力、安くて薄い入門書を手に取るのはアリです。

キャリアコンサルタント試験の学科は、学問分野で言えば、心理学から経営学、教育学、社会学労働経済、労働法、労働行政と非常に幅広く問われます。なので、どのあたりから出題されそうか、というあたりをつけながらやらないと非効率な学習になりやすいのです。効率よく学習するためには過去問を解き、出題ポイントを把握することが鍵になります。

ただ、第4回の試験では学科の難易度が一挙に上がってしまいました。出題比率も変わり、労働行政分野の問題が増えました。私は、今回の試験ですべて網羅されたテキストは見たことがありません。むしろ、私が養成講座で学んだ教科書には出てこない問題が結構、出題されていました。

学科試験もそれなりに時間をかけないと通らない試験になったということなのか、そうでないのか、私にはわかりませんが、教科書以外の参考文献もできるだけ目を通すことが必要なのは確かでしょう。そのためにも、自分の得意なところ、苦手なところを見極めが大事になってくると思います。

私は、大学で心理学をやっていて、スクーリングで、カウンセリングやコミュニケーションスキル、アセスメントを学習してきたので、この分野については非常に楽でした。一方、労働法や労働経済は弱かった。特に労働行政については厚労省の資料を読んでおかないと解けない、と感じた問題が出題されていて、試験時間の間、とても焦りました。試験が終わった後は受かった気がしませんでした。

厚労省の資料は揃えるのも、読み込むのも時間がかかります。今後、各養成講座でもサマリーを提供してくれると、ただでさえ時間のない受験生は非常に助かりますね。

 

学科試験は択一なので出題形式にも慣れておきましょう。

正解を一つ選ぶ、間違いを一つ選ぶ、正しい文の個数を答えるなどパターンは限られています。また、この形式は知っていないと解けないかというと、そうとも限りません。持ってる知識を活用することで、知らなくても解ける問題もあります。

数字の問題もトレンドを押さえることで、正解を導き出せる場合もあります。

試験でそうした応用を効かせられるようにするに暗記はやめましょう。

語呂合わせは記憶の定着に都合いいのですが、単なる暗記は知識がつながっていかないので応用が利きません。なので、これまでと違う形で出題されると知っているのに解けないということにもなりかねないのです。

第4回試験で、私が失点した問題のなかで、翌日発表された正解のなかで、納得がいかない解答がいくつかありました。中には後日修正されたものもあったのですが、納得いかない問題の解答を確かめたなかで、問題文がある本の一節丸写しのものがありました。そして、私はその同じ箇所を丁寧にもマーカー付けていたのでした。

うろ覚えでは学科の問題は解けないということだと思います。

やはり知識は正確に定着させておきましょうね。

 

 

 

キャリアコンサルタント試験合格体験記(3) 養成講座を選ぶ

養成講座は慎重に選びましょう、と先に書きました。

ここでは、そのためにオススメする作業、受験者側で注意しておきたいことを書きます。

講座の資料は、できるだけ集めましょう。

集めたら、エクセルで比較表を作成しましょう。

 

比較表の項目は、例えば、

  • 通信か通学か
  • 開催日程
  • 教室の場所
  • 費用
  • 講座の内容
  • 使用テキスト
  • 講師のラインナップ

他にもあるかもしれません。適宜追加削除してください。

項目を決めたら、自分でこれは大事だという項目に重み付けしておきましょう。

土日は通えないということであれば、開催日程は限られますし、費用はできるだけ押さえたいのであればそこを重視して比較していくことになります。

各講座の資料かr比較表に落とし込んだら、漏れはないか、確認しましょう。

自ずと、この時点で、説明会に参加する講座は絞り込まれるはずです。

講座の資料で講師の名前が記載されているのなら、googlefacebookなどで検索してみましょう。どういう仕事をしているひとなのかをしらべておき、説明会で会えるかどうか、会えるんであれば話を聞いてみましょう。

講師の質が講座の質と言っていいくらい、重要なポイントです。

ただ評判がいいから、というだけではなく、自分との相性も大切です。

なので会って話ができるならそうした方が良いです。

比較表の作成は各講座の特徴が一覧して見れるという利点と、どの講座が自分にとってムリがないのかを見つけるのにも便利です。説明会に参加したときに、自分が確認しておきたい事もはっきりします。

また、講座選びのポイントになることとして、いつの試験を自分は受けるのかということも大事です。それによって、時間の使い方が変わってきます。

私の場合、申し込んでから受験まで1年でした。実のところ、第3回試験を受けたかったのですが、講座が満員で空きがなかったのです。

試験日程は、各試験機関のホームページで掲載されているので早めに確認しておきましょう。いつの試験を受けるのか、おしりが決まればそれまで、どれくらいの時間があるのかが決まります。その間、仕事や家庭などと養成講座に通い、学習する時間を調整する必要があります。このあたりのことはまた次回。

 

 

 

キャリアコンサルタント試験合格体験記(2) 資格取得の意志を固める

資格を取ると決めるには、まず、その資格に興味をもったきっかけがあったはずです。

新聞で取り上げられていたとか、たまたまキャリアコンサルタントと知り合った、あるいは、転職の際に非常にしんみになって話を聴いてくれたなど、ひとそれぞれにキャリアコンサルタントに興味をもったきっかけがあったと思います。

私の場合は、大学のスクーリングで、やたらとロープレをやってほめられたことで、カウンセリング関連の資格を取りたいと思った、というのが元々ありました。ただ、ダイレクトにキャリアコンサルタントに興味をもったのはこの資格が国家資格になったということでした。少子高齢化社会のなか、いかに生産性を高めていくかという国家的な命題がかかげられ、また、国をあげてキャリアコンサルタントを増やしていく計画のようだと知って、この流れは大きな流れであることは間違いないし、今後、期待がもてる資格かもしれないと考えたのです。

こうしたきっかけがあって、資格について調べていくのですが、こうした行動につながるのは、何か自分のなかに課題があり、その課題がこの資格を取ることで解消されるような、そんな期待感を感じているからでしょう。

キャリアコンサルティングのプロセスで、一番最初に自己理解を深めることが位置付けられていますが、資格を取ろうと決める際にも自己理解はとても大切なステップになります。

私の場合は、上記のスクーリングによって、カウンセリングをやりたいという思いはありました。ただ、どこかでこの年齢で一から何かを始めるというのも億劫な年代です。ただ、私が今勤めている会社には退職金がありません。年金制度に対しての不安も抱えています。このまま今の会社につとめていたところでその先が見えません。会社の経営方針にも納得がいかないところがあります。そうした、将来に対しての漠然としたモヤモヤ感。それを抱えていたところでのキャリアコンサルタントの国家資格されるという知らせ。


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受けるかどうしようか?


この選択にあたっては、その資格を取ることでどんなことが期待できるのか、ということと、一方で、取れますか?という、2つの問いがあります。

どれだけ魅力に感じていても、やり切れる自信がなければあきらめることになるだろうし、やり切れるとは思うけれども、取ったところで役に立つことがないなら、時間やお金を使う気にはならないはずです。

資格に対する魅力もやり切る自信もひとそれぞれでしょう。知識や経験がなくても、とにかく取るんだという気持ちの強さで、試験まで乗り切るひとはいますし、能力はあってもそこにかける余裕がないというひともいるはずです。

そう考えると、資格を取ろうと決めるにも、いろいろと制約はあるのです。

お金の面、時間の余裕、これまでの経験、知識、場合によっては家族のことも考えないといけない。仕事のことも気にかけないといけない。

ここで、どれだけ真剣に考えていたかで、資格取得への動機の強さが変わってきます。動機の強弱で合格まで乗り切れるかどうかが変わってくるのです。

そして、これは自分で決めるしかありません。ほんとうに自分が納得して、自分で決めたことはそうそう諦めないものです。自己成就という心理が働くからです。

ひとからすすめられて、というだけではそこまでのモチベーションは長続きはしません。


キャリアコンサルタント試験合格体験記 (1) 合格までの道のり




キャリアコンサルタント合格までの道のりを、私の体験をベースにしながら整理していきます。

全体としての大まかな流れは、どの資格を取る際も同じだと思いますが、次のような流れになります。


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スタートは、この資格を取ると決めるところからですね。

受験資格にもよりますが、実務経験がない場合、厚労省指定の機関で養成講座を受けることが必須になります。ここは、社労士や税理士とは異なるところですね。むしろ、AFPに近いです。

養成講座修了によって受験資格が得られることになります。

そして、試験を受けて、一定の点数をクリアすれば合格。

大まかにいうとこんな流れです。


では、次回からひとつひとつ説明していきます。


養成講座、試験対策講座の選び方

キャリアコンサルタントを目指そうとする際、実務経験受験する人以外は、まず養成講座を受講することになります。

この養成講座は、決して金額の安いものではありません。また、そうそう乗り換えるわけにもいかないので慎重に選んでおきたいものです。

この養成講座は建前上、厚労省指定という肩書きがつくので標準的なカリキュラムに則った形になります。ただ、使われる教材は養成講座によって違います。

私が選んだ養成講座はJCDAのCDA養成を永くやってきた、そこでの合格率に高い実績がありました。

そして、JCDAが試験機関であることもあって、試験対策も有利だと聞いたからです。

説明会に参加しその話を鵜呑みにして決めました。

他の講座も資料は取り寄せましたが、試験に有利という点で、話を聞きに行くことはしませんでした。

今では、やはり、話は聞いておくべきだったと感じます。


実際に受験して、有利な点は何もありませんでした。

学科は、今回、たくさんボロボロ落ちている人がいて、私自身、ギリギリでした。

この養成講座は、学科対策と直前模試がセットでした。学科対策は出題傾向は外しているし、直前模試では合格に達していたひとが今回軒並み落ちているのです。

また、オプションで参加した面接対策でも、具体的な試験に向けてのアドバイスはほぼありませんでした。


養成講座と試験対策はセットになっていることが多いため、養成講座を受けた人は同じスクールで試験対策を行うことが多いと思います。

確かに、養成講座は試験対策講座とは違うのです。ただ、養成講座はそうはいっても、キャリアコンサルタントを養成するためのものなのですから、しっかりと知識やスキルを身につけられるところを選ぶ必要があります。

そのためには、やはり、情報収集は欠かせません。必ず、比較検討は、資料だけではなく、説明会にも参加して行いましょう。何なら、実際に指導していただく講師と会ってみたいというのもありです。

私の場合、養成講座だけでは傾聴スキルは身につきませんでした。ただ、感覚的に、できているときとできないときの差が大きいと感じていたレベルです。

そのため、別に指導していただける方を探し、その方のおかげで、何とか合格までたどり着きました。

もしかしたら、養成講座選びによって、別の期間で受講していれば、そのような手間は必要なかったかもしれません。

もちろん、指導いただいた方との出会いは非常に大きいので、たらねばの話でしかないのですが。

そう考えると、しっかり指導してもらえるひとがいれば、講座はどこでも構わない、ということかもしれませんね。

また、そういう方は、なかなか身近にいることも少ないと思います。

であれば、養成講座選びはきちんと、慎重に選びたいですね。


キャリアコンサルタントをテーマにしているため、このブログでも広告が出てきますが、勝手にでてくるものなので、私が書いている記事とは何の関係もありません。念のため。

試験機関が2つあることは受験生には有利です

試験機関の選び方について、前回書きましたが、同じ国家資格試験でダブルスタンダードはおかしいと考える方もいらっしゃるようです。

私はダブルスタンダードで何が悪いのかと思っています。

むしろ、受験生に選択が与えられていることはいいことじゃないかと考えます。ファイナンシャルプランニング技能士も試験機関は2つありますし、選べるということは受験生にとっては有利な面もあるからです。

逆に、ダブルスタンダードに異議を唱えるのは養成講座や試験対策を提供する側にとって面倒だというなら話はわかります。ただ、それは受験生に配慮した話ではありません。


なぜ、ダブルスタンダードなのかは、キャリアコンサルティングがまだまだ日本では発展途上で、しっかりと根付いていないからだと思います。

アメリカでは修士レベルのキャリアカウンセラーですが、日本では修士卒という条件はなく、かつ、これまで民間資格だったのです。十いくつ以上の民間の養成機関が、それぞれにキャリアカウンセラーを養成してきたという経緯を考えると、それを統一した基準にしようとすることはとても難しいことだと思います。

現在、活躍されているキャリアコンサルタントの方たちがいかに多様な活躍をされていらっしゃるかを考えて見ても、試験にもこの多様性は反映されているのが理想です。

もちろん、国家資格としての統一性は、資格登録者の品質という点ではとても大事なことですが、それが担保されていることを国が認めている以上、合格率の違いうんぬんで試験機関が2つあるのはおかしいというのは筋が違います。

むしろ、試験機関には採点の考え方を公表するなど、その特色を明確にしていただき、受験生が選択するにあたっての情報を提供していただくほうが良いと考えます。


私も協議会で受けていれば不合格だったかもしれません。

ただ、そんなこと、知ったこっちゃないです。仮定でしかないですから。

むしろ、協議会で受けるなら、協議会に合わせた対策をとったとは思います。


養成講座や試験対策講座の提供者側が、自分のところの対応の不手際を受験生側に押しつけていると感じることが最近あって、こんな記事を書いてしまいました。


受験生は仕事や家庭のことなど、それでも日常抱えながら、合格目指して頑張っているんです。

養成講座や試験対策講座を提供する方たちには、そうした受験生の状況にも配慮していただきたいです。

合格を謳うなら、そのための情報提供にしっかりつとめていただきたい。

少なくとも、受験生を惑わせるようなことはしないでほしいです。


今回、キャリアコンサルタント試験を体験して、最大の不満を書かせてもらいました。


受験生の方へのアドバイスとしては、養成講座や試験対策講座選びは慎重に、ということになります。

この点、記事をあらためて書きますね。


キャリコン 試験機関の選択について

昨日、キャリアコンサルタントの登録申請、JCDAへの入会手続きを行いました。

登録申請は、ウェブでの登録の後、書類を送る必要があります。どちらも時間がかかるようなので、正式にキャリアコンサルタントを名乗ることができるのは、しばらく先になりそうです。


さて、キャリアコンサルタント試験について、自分の体験談を記事にしておこうと思います。これからこの試験を受験しようとされている方に、少しでも参考にしていただければ幸いです。


で、先ずのトピックスは、試験機関の選び方です。

以前にも、このトピックスは書きました。

(参考/2017/03/20/JCDAか?それとも協議会か?)

このときは受験前のものでしたが、受験の経験も踏まえ、書いておこうと思います。


JCDAか、キャリアコンサルタント協議会か、どちらの試験機関を選ぶのかは、この試験に臨むにあたって、非常に重要な選択です。実技対策の立て方が変わってくるからです。

この点、養成機関側でも、現時点では混乱されてるんではないかと感じます。

試験機関によって評価項目が違うのですが、私が受けた実技対策では表現が違うだけ、評価されるポイントは一緒だと説明を受けました。技能検定2級との比較で、そういう説明を受けました。

私はJCDAで今回受けましたが、他の方の状況を聞くと、どうも両者の評価には違いがあるように感じます。

確かに、制度上のコンセプトは表現が違うだけなのかもしれませんが、実際、その場で評価する試験官の考えにもよるところが大きいんではないかと思います。

試験官の方お一人おひとりがどのような方なのかは私もわかりませんが、JCDAで言えば、これまでも過去CDA試験を実施してきた経緯があります。JCDAはJCDAの考えがあり、受験生の評価体系もこれまで資格認定を行なってきたなかで蓄積されてきたはずです。


実技対策のとき、私が戸惑ったのは「主訴」という言葉の扱いです。ひとによって、この言葉の使い方がどうやら違うと聞いて、ちょっと驚きました。


「主訴」は、クライエントがほんとうに訴えたいことと理解していたのですが、ひとによっては、最初にクライエントが発したこと、つまり、「今日はどんな相談でいらしたんですか?」に対して、「ちょっと最近しごとのことでモヤモヤしていて、相談したくてきました」、これが「主訴」らしいのです。

私はそれは「来談目的」で「主訴」ではないと理解していたので、少し混乱したのですが、JCDAでは、はっきりと評価項目に「主訴・問題の把握」と表現されていますね。


結局、JCDAで受験する場合は、私が理解していたところで問題ないのですが、協議会では「主訴」という言葉の扱いは違うようです。

ただ、表現の扱いが違いだけで、どちらの試験機関でも、クライエントが訴えたいことをきちんと把握できているのかはしっかり見ていることは間違いないでしょうけど。


今回の試験でも、両者の実技の合格率には差が出ました。その差だけを見て、協議会の方が合格しやすいと考えてしまうのは、どうなんだろうと疑問に感じます。

JCDAでは、養成機関出身者と実務経験者でも合格率が大きく違うのも注意が必要です。


結論として、CDA養成の認定を受けた機関の養成講座を受けた方はJCDAで、それ以外の方は協議会で受けるのが良さそうだ、ということなのですが、もうちょっと、踏み込んで考えると、

・傾聴に自信があるひと→JCDA

・学科に自信があるひと→協議会

と、私は思います。

これは論述の問題を比較してると、双方の試験機関の考え方の違いがはっきりと現れていると思われるからです。

より深くクライエント理解を求めるJCDA、キャリアコンサルタントとして適切な情報提供ができるかまでを求めるのが協議会、そんな感じがします。

例えば、クライエントが話すのを促し、漏らさず聴き、しっかりと伝え返すことで、クライエントが自問自答することによって、何かに気づかせるようにすすめていくことができているかどうかを見ているのがJCDA。

一方で、育児との両立がテーマなら、会社が必ず備えておかないといけない制度が何なのか、任意の制度は何なのかを把握し、クライエントの状況を理解した上で、適切な情報提供ができるか、それを求めるのが協議会。


傾聴重視のJCDA、キャリアコンサルティングのプロセスを重視するのが協議会。

こんなイメージだと思います。


そう考えると、どちらを選ぶかによって、試験対策は、全く異なってきます。


JCDAでの受験を決めた場合、やはり、傾聴スキルをより高めることが大事になりますし、協議会の場合、相談パターンに合わせた知識の整理が必要です。


また、実務経験者にとって協議会のほうが有利なのも何となく理解できます。事例を蓄えてますもんね。それが活かせるのが協議会。逆に、JCDAではその事例があまり使えないので不利なんだと考えられます。


傾聴はどちらの試験機関を選ぼうが評価項目ではあるけれど、JCDAのほうが配点は高く、協議会は情報提供まで見てるので、JCDAほどは高くないと推測できます。


今後、対策講座も試験機関別にコースを設けることが求められます。あるいは、受験生がどちらの試験機関により適しているのかを選ぶということなのかもしれませんが。


試験対策としては、JCDAでの受験を考えているひとはとにかくロープレです。

ロープレで自分のできているところ、できていないところをしっかり把握し、とにかく傾聴スキルの向上に努める。

その際、養成講座の仲間同志だけのロープレで終わらないこと。

きちんと指導してもらえる講師や資格取得者からアドバイスを受けることが必要です。

また、ロープレの後、ちゃんと逐語録を作成すること。

ロープレはやりっぱなしではほぼ意味がありません。今回はうまくできた、できなかったと感覚だけ残ったって、次に活かせません。スキルは繰り返しできてスキル。きちんと自分のクセを細かいところまでチェックし、次はここに気をつけるということを意識しないとスキルは伸びません。そのための手段が逐語録です。

後、私がやって良かったと思うのは、逐語録を想定しながら作ることです。

クライエントがどう発言するのかまで考えて作成する必要はありますので戸惑いはありますが、自分がクライエントであったらと考えるきっかけになりました。


私はJCDA受験なので上記の内容は私の体験談です。

一方、協議会の方は、もし仮に、という前提で、私が受験するとしたらこうするだろうと思うところを書きます。

やはり、ロープレは必須だと思います。ただ、JCDAが傾聴に重点を置くのとは違い、協議会の方はやはり事例検討に重点を置いたロープレが大事だろうなと考えます。その際、学科の知識、特に、労働法や労働経済、雇用施策など、クライエントの相談内容に合わせて適切な情報が提供できるか、知識の活用に重点を置きます。

これは、今回、学科での出題傾向が変わったことも考えると、非常に効率的でもあるのです。ロープレのなかで自分の知識の定着も確かめることになりますから。なので、学科対策も一緒にやれるという利点があります。

とはいえ、クライエントの状況をきちんと把握するという意味では傾聴もおろそかにはできません。そこはしっかりやらないといけませんが、より重点を置くのは面談のプロセスです。クライエントの困り事を把握し、なにが問題なのかを整理して、それに対し対策を考えられるかどうか? 面談の進め方に注意して、より話のまとめ方、展開の仕方に気をつけます。

この場合、受講生同志での学びあいは有効でしょうね。やはり、講師や協議会で合格したひとからのアドバイスは必要だと思いますが、キャリアコンサルタント志望者の経歴は様々なので、むしろ、その方たちの経験から学ぶ意味は大きいと思います。介護の話は実際に介護を体験した話を聴くのが学びは大きいですから。迫力が違います。流行りのアクティブラーニングですね。


いかがでしょう?


少しでも参考になるところはありましたでしょうか?


どちらを選ぶのかは、やはり、自分で、なにが得意かが鍵になると思います。

学科が得意であれば協議会のほうがいいと思いますし、カウンセリングのほうが自信があるのならJCDAかと思いますが。 

それでも、なかなか、自分の実力を見極めるのは難しいですよね。


私も受験申込みした後から、論述対策しながら、協議会のほうが自分は良かったんじゃないかと思ったことがありました。受けていないので何ともいえないところではありますが。

ただ、養成講座修了時に、あなたはクライエントの気持ちに寄り添っていない、質問ばかりでほんとうに聴いてもらっている感じがしないと指摘を受けました。

そんな傾聴スキルが低かった私が、JCDAで受験して合格ラインの90点を優に超える点数で実技は合格しました。

約1カ月半、とにかく傾聴スキルを伸ばすことを心がけた結果だと思います。一方、学科はギリギリでしたけど。


試験はテスト結果が出るまでは、なにが起こるかわかりません。

自分がやれることをひたむきにやる。

それが試験対策だと思います。