キャリア発達
スーパーとシャインを並べてみました。
シャインの謙虚なコンサルティング
謙虚なコンサルティング――クライアントにとって「本当の支援」とは何か
- 作者: エドガー・H・シャイン,金井壽宏,野津智子
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2017/05/17
- メディア: 単行本
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アマゾンで予約していた、シャインの「謙虚なコンサルティング」が届きました。
「ひとを助けるとはどういうことか」、「問いかける技術」に続くものです。
これから読みます。
クライエントへのアプローチ
面談でのクライエント理解として、クライエントの非言語行動を観察することと共に、クライエントの話す内容を観察するのも大事かなぁと思います。
会話の3要素と呼ばれる、【事柄】、【感情】、【計画】を使うと、カウンセリングでの発言は、この3つのどれかにあてはまることになります。この3つはクライエント理解の手がかりになるのでは?
周囲や出来事の話ばかりで、自分の考えや気持ちを出さない、逆に感情が爆発して話のつじつまが合わない、話の流れはいろいろ想定できるのですが、カウンセラーとしてどのようにアプローチしていくのかは考えどころだろうなと思います。
人を動かす対話って?
極めて実用的な対話スキルの本です。
この本では、難解な用語はほぼ出てきません。ロジャーズや解決志向アプローチ、動機づけ面接、認知療法、弁証法的行動療法などのサイコセラピーを著者の実務経験によるスクーリニングによりろ過され、凝縮されたエッセンスが新書の形にまとめられています。
この本では、これらのサイコセラピーは、対話技法と呼ばれます。
実際に役立つという点で、これはいいなと感じたのは、進路、就職の悩みや不安、パニック、対人関係、職場の問題などの各問題ごとにどのような対話技法が関連があるかが表形式で示されていることです。読者はこの表から自分が関わる問題や関心によって、どの章に注力して読み進めれば良いかが判断できるようになっています。
とはいえ、各章のアプローチは、キャリアコンサルタント志望者としては、一通り目を通しておいて損はないでしょう。各章に記述されているアプローチを理解し、ホルダーの方の逐語を読むと、意外と、あれ?これって、解決志向?などと感じたり。
第1章は、ロジャーズについて書かれたものですが、とてもわかりやすいです。実用的な意図で書かれているので、実践的なヒントも得られることでしょう。もちろん、これは他の章についてもあてはまることなんですが、むしろ、解決志向アプローチも動機づけ面接もすでにマニュアルにされているってことを考えると、ロジャーズについて実用的に記載することじたいが稀有なことだと思います。
そう考えると、この本でのロジャーズの取り上げ方は、カウンセリング一般での位置づけを正しくトレースしているとも言えるかと思います。つまり、ロジャーズはカウンセリングの全体的な枠組みを構成し、基礎部分として一般に認知されているのと同様、第2章からの対話技法はこの第1章を土台に展開されているんですね。
ということは、解決志向や動機づけ面接で使われるスケーリングクエスチョンも、クライエントにとって有用な問いかけになりうるのは、受容、共感、一致によってクライエントがカウンセラーに対し安心を感じ信頼を寄せていることが前提になっているのですね。他にもミラクルクエスチョンなど、魅惑的な技法がいくつも紹介されているのですが、この本によると、すべて、カウンセラーの基本的態度が整っている上で効果的なアプローチになるのです。
たとえば、クライエントが、今職場の人間関係に悩んでまして、と聞いて、すぐに、朝起きて今あなたの悩みがすっかりなくなっているとしたら何が変わってますかっな質問をカウンセラーがしてもクライエントは戸惑うだけです。クライエントをまず受け止め、存分に話してもらった上で、ミラクルクエスチョンは効果的だというのはそのとおりだと思います。
キャリアコンサルタント志望者として、ロジャーズの基本的態度の重要さに気づくと共に、それを踏まえた上での豊富な応答例は自分の応答の幅を広げるために非常に参考になります。キャリアコンサルタントはクライエントの主訴と問題を把握した上で、目標設定、行動計画、方策の実行支援が仕事ですから。その点で、解決志向も動機づけ面接も是非取り入れていきたいものです。
- 作者: 岡田尊司
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2011/10/15
- メディア: 新書
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