キャリアコンサルタント学習ノート

キャリアコンサルタントの学習記録

面談全体をアタマに入れて

キャリアコンサルタント試験の実技面接は、初回面接という設定で行われると理解しています。その想定では本来、50分程度の時間で行われるはずの初回面接のうち、実技面接試験では冒頭の15分を行うという設定です。

これって、どういうことなのか。
整理すると、50分のうち、15分は実際にロープレを行い、残りの35分は口頭試問で問われることを実際にやったらそれに費やす時間ということになります。

このようにかんがえると、キャリアコンサルタント試験の実技面接試験は、50分の初回面接を行う腹づもりで臨む必要があるということだと思います。

これは、なかなか難易度高いなあと思うのは、キャリアコンサルタントの実習で、そこまでのロープレはやったことがありません。15分ですら、ほとんど、実習ではなかったですから。
なので、時間配分の感覚が不足気味だと思います。
また1回で終わる面談もあるでしょうし、複数回行う必要のある面談もあると思うんですよね。とすると、主訴や問題も把握したとして、それをどれくらいの時間軸で解決していけばいいのかもわからない。

自分で書きながら、50分やる腹づもりといったって、それを感覚として掴んでいるわけではないので、さすがに上に書いたことを確実に想定するのは無理があると感じます。
一方で、口頭試問含め50分やる腹づもりは試験範囲であるのは間違いないので、ここは思い切って、実務経験がもとめられるようなところは外して考えようと思います。
外して考えるところは、クライエントの主訴、問題に合わせてどれくらいの時間を想定するかってところですかね。でも、これって、実務でも相当経験積まないとわからないことですよね?
時間は考慮に入れないまでも、プロセス全体を念頭に置いてコンサルティングする、ということなんじゃないのかな?

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コーヒーカップ方式でいうと処置、問題解決ですかね。そこまで持っていくつもりで面談を進めていく。
やはり、問題が解決されないと、クライエントさんは何しに来たんだオレは?ということになりかねないと思うんですよね。

面談は冒頭2分間で決まる⁉️

初対面の人への印象は2分間で決まる、その2分間の印象はそれ以降変わることがない、ということは心理学でも何度も確認されてきたようです。では、この2分間という時間で、相手に好印象を与えるためには何をすれば良いのか? もちろん、相手と良好に関係を続けていきたいということが前提になりますが。植木理恵さんの『好かれる技術』は、自分が関係を続けていきたいという相手に対して、どのように働きかければ好印象を与えられるのか、具体的に、わかりやすく教えてくれます。日常的な人間関係を扱った本ですが、カウンセリングの面談にも活かせることはあるなと感じながら読みました。
面談で2分間といえば、だいたい、あいさつして、カウンセラーとクライエントがお互いに名前を交換し、クライエントの来談目的を共有するところにあたります。

CC こんにちは
CL こんにちは
CC 私、キャリアコンサルタントの〇〇です
CC △△です 
CL  △△さんですね。よろしくお願いいたします
CC お願いします
CL △△さん、今日はどのようなご相談でお見えいただいたんでしょうか
CC  はい、非常にいいにくいことなんですが、ちょっと職場の人間関係で困っていて、それで、相談に来ました
CC  ふんふん、職場の人間関係で困っていて、それでご相談に来ていただいたんですね。もう少し詳しく教えていただけますか

ここまでで、おそらく、2分間。
その間にカウンセラーは自分がクライエントを受け入れ、好意をもち、話を聴きたいと思っていることをクライエントに全身全力で伝えようとし、かつ、クライエントもカウンセラーのこのような姿勢を感じ取り、理解する。カウンセラーにとってはクライエントとのつながりをつける、とても大切な時間です。
植木理恵さんの本でも引用されていますが、あたたかい、冷たいという人に与える印象は特に初対面では他の要素に優先して働きます。このように、第一印象には優先して働きやすい印象があります。そこも踏まえ、自分が人にどのような印象を与えやすいのかのチェックはしておいた方が良いのでしょう。

面談の冒頭2分間が大事なのは、そこで、その後の展開がまるで違ってくるからです。それは流派によって進め方が違うとか、そんなことではなく、2分間でつくられたクライエントの第一印象によって、クライエントの話す内容も、カウンセリングへの態度も変わってくる、ということです。

この2分間がうまくいくかどうかの分かれ目です。



好かれる技術―心理学が教える2分の法則 (新潮文庫)

好かれる技術―心理学が教える2分の法則 (新潮文庫)

問いかけと質問

問いかける技術――確かな人間関係と優れた組織をつくる

問いかける技術――確かな人間関係と優れた組織をつくる

質問には、開かれた質問、閉じられた質問の2つがあります。

前者は「今日、どんな食事を取られたんですか?」というように、自由に答えられる形の質問、後者は「今日、食事は取られましたか」と、答えがはい、または、いいえの選択になっている質問。

どちらかというと、開かれた質問を使うことをキャリアコンサルタントの講座では推奨されることが多いと思います。それは、クライエントの自由な語りを促すためと理解していますが、これ、なかなか、言うは簡単なんだけど、わかってるんだけど、実際難しい、できない。

質問には、他に、直接的な質問、間接的な質問という分け方もあって、こちらは、「なぜあなたはそうしたんですか」と「そうするひとを見たらあなたはどう感じますか」の違いがあります。間接的な質問の場合、クライエントの行動や認知を客観的に考えてもらう効果があるようです。 


開かれた質問、閉じられた質問、直接的な質問、間接的な質問。どれを使うにしても、そこに意図はあるのかが大事です。ただ、その意図がクライエントを理解したい、理解しないといけないという意図が強すぎると、質問が多くなってしまう気がします。すると、カウンセラーの一方的な理解したよということになりやすく、その理解がほんとうにクライエントが話したかったことなのかがわからない、ということになりかねません。


自分を振り返って見ても、応用実習のロープレでは、質問が多かったです。さらに、そのときには質問が多いと指摘されても、なんかびんとこなかったですね。だって、質問しないとわからないじゃないですか。


そう考えているところに、ヒントになったのはマイクロカウンセリングの教科書です。そこで、アイビィは質問を「会話への誘い」と書いています。

質問というとQ&Aを、つい、イメージしてしまうんですが、「会話への誘い」というのは、そのイメージとは違います。むしろ、「話してもらえますか」、「一緒に話しませんか」という形で、クライエントが話すきっかけになっているんですね。

そうだとすると、質問という言葉がよくないんではないかとおもうんですが、シャインの「問いかける技術」を見て、「問いかけ」という言葉に出会い、自分として腹落ちできました。

シャインは問いかけを4つに分けていて、純粋な問いかけ、診断的な問いかけ、対決的な問いかけ、プロセス志向型問いかけがあります。それぞれの詳しい内容は省きますが、アイビィの「会話への誘い」に絡んで注目したいのは「純粋な問いかけ」。これは、クライエントの話に集中する問いかけで、クライエントへの興味や関心から出てくる問いかけとされています。そこで必要なのは、「今ここでの謙虚さ」。シャインは相互依存という言葉で説明していますが、クライエントが話してもらわないことにはコンサルタントやカウンセラーは仕事にならない、その意味で、コンサルタントやカウンセラーはクライエントに依存している。クライエントが相談したいとコンサルタントやカウンセラーに依存しているのはそうなんだけども、クライエントに依存していることをコンサルタントもカウンセラーも弁えておかないといけない。そうすると、クライエントに謙虚にならざるを得ない。

純粋な、謙虚な問いかけが目指すのは、クライエントととの良好な人間関係をつくることだとシャインは言っています。そして、その良好な人間関係の上に、良質なコミュニケーションが活動するんだと。




私家版面談心得

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その一 すべてはクライエントへの好意的関心に始まり、良好な人間関係でまとまる。

その一 クライエントは、すでに考え、悩み、息詰まっていることを心に留めおくこと。ただし、それでもクライエントにはまだやれること、できることがあることをしっかりわきまえておくこと。

その一 クライエントへの謙虚な態度を取り続けること。カウンセリングの成否はクライエント次第ということを十分認識すること。

その一 クライエントに意識を集中させること。クライエントの話すことはもちろん、その一挙手一投足まで注意を向けること。

その一 スケベゴコロにならないように気をつけること。自分なりの興味や関心でクライエントのココロの中を覗き見しようとしないこと。

その一 クライエントが語りたいだけ存分に語れるように励ますこと。クライエントのペースに合わせて、うなづき、あいづち、間を取ること。

その一 分かると早急に思わないこと。クライエントに対する違和感を大切にすること。

その一 クライエントが語る来談目的をアタマにしっかり叩きこむこと。

その一 クライエントの話はきちんと伝え返して、自分がクライエントを理解しようとしている姿勢を伝えること。そして、自分が正しく理解しているかをクライエントに確認すること。

その一 全力をかけてクライエントの気持ちを理解すること。クライエントの話は、クライエントがなぜそのような気持ちになっているのかのワケである。

その一 カウンセラーの役割はクライエントへの側面的支援だということを弁えること。主演俳優はクライエント。どんな役をどのように演じるのかはクライエントが決めること。カウンセラーの役割は、どうすればより魅力的な演技になるのかをサポートすること。

その一 クライエントにとって、何がなんでもハッピーエンドを目指すこと。


以上、12か条を面談心得としてまとめてみました。

明日の実技対策に備えて。




過去問は最良の合格指南書

過去問は合格のための最高の参考書であり、問題集だというのは、大学入試でも、資格試験でも、変わらない原則だと思います。

過去問を解くことで、いろいろなことがわかります。どんな出題形式なのか、どんなことがどのように問われるのか、どこが今の自分には足りていないのか、とか。


キャリアコンサルタントの学科試験は、四肢択一で50問出題。正解のパターンは、正しいものをひとつ選ぶ、または、間違っているものをひとつ選ぶのどちらか。

選択肢を見て、それが一つ一つ正しいのか、間違いなのかが自分の知識で全部判断できるに越したことはありません。なので、試験直前までは、知識の溜め込みに努めることは必要です。

過去問を解いて、どこがよく出る分野、項目なのかを把握し、それと自分の知識を照らし合わせ、不足しているところを補っていく必要があります。

キャリアコンサルタント試験は、これまでの3回の過去問を見ていると、割と満遍なく出題されているため、逆に自分の弱点分野は見つけやすいはずです。そこをまず補強しましょう。

そして、試験で問われている箇所を起点に関連する知識を拡げていくのがいいんではないかと思います。


ただ、注意しないといけないのは、まだ3回しか行われていない、ということは、今後、出題傾向が変わる可能性もないことはない、ということでしょうか。実際、実技の論述は、過去3回でも出題形式が変わっています。


だからと言って、よほどのことがない限りは、問われるレベルが大幅に上がることは今は考えにくい。

もう1月も時間がない中で、大幅に知識レベルを上げるのは相当なもんです。


本試験で70点越えれば合格なのですから、そこを超えるべく、やれることを見据えてやっていきましょう。




ロジャーズの逐語録

「ロジャーズのカウンセリング 個人セラピーの実際」に目を通しました。
ひとつ、これまで、キャリアコンサルタントの養成講習の教材の逐語録とはまったく違うという印象を受けました。
何が違うのかまで、おいきれてはないのですが、何だろう?予想外にセラピストの発言が多いなぁと感じました。
また、この逐語じたいが17回目で、セラピストとクライエントとの人間関係はすでにできあがっている、クライエント中心療法でいう内的照合枠が二人の間にはすでに共有されていることを前提として目を通す必要があると思いました。ロジャーズはクライエントの言ったことをそのまま伝え返してはいません。ある程度、クライエントを理解していることを踏まえた上で応答しています。

私がこの本から汲み取れたことは、あまり多くはないのですが、そのなかでもイキを合わせることって大事だなぁと思いました。クライエントの言葉を待っている間合いが、この逐語録には何箇所も出てきます。この沈黙、この間合いこそ、実はカウンセリングの本質なのかもしれません。

ロジャーズのカウンセリング(個人セラピー)の実際

ロジャーズのカウンセリング(個人セラピー)の実際

キャリアコンサルタントへの期待と役割

キャリアコンサルタントの国家資格化には、少子化の進行に伴う労働人口の減少という現実的な予測と、持続的経済成長の維持という政治的命題が背景としてあります。日本の労働生産性の低さはつとに指摘されてきました。今まで仮に一人で100万円稼ぎ出していたものを200万円稼げるようにしたい。日本人一人ひとりが仮に、今までよりもより多く稼げるようになれば、労働人口が減っていったとしても、経済成長は維持できるだろう。そのように考えた日本政府は、では、どうすれば国民の生産性を上げることができるのかを考え、いろいろと策を打ち出してきました。キャリア形成補助金高齢者の雇用延長、女性活躍支援法など、雇用政策に関連する打ち手がどんどん打たれており、キャリアコンサルタントの国家資格化もその一つなのです。

この本の表題にある「働き方改革の担い手」とは、そうしたキャリアコンサルタントの背景を如実に表現しています。「働き方改革」を国が掲げるのは、ひとえに生産性向上が目的です。また、この言葉はワークライフバランスダイバーシティー、健康経営とも繋がりを持ったものです。今や、両立は育児や介護だけではありません。自己啓発や副業まで両立を支援しようという企業も存在します。女性が中心を担う職場は珍しいものではなくなりましたし、高齢者、外国人と職場はますます多様化しています。そして、「働き方改革の担い手」となることをキャリアコンサルタントが期待されているとしたら、それは、キャリアコンサルタントが「自分らしい生き方の支援者」であるから、というのが答えなのでしょう。

 

『キャリアコンサルタント』は、キャリアコンサルタントって何?どんな資格?どうすれば取得できるの?どういう役に立つの?という疑問に、適切に答えられている本だと思います。